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「今日も寝られなさそう」向かいの家から続く騒音。数日後、回覧板に入っていた一枚

  • 2026.8.31

夜になると、向かいの家から低い音が響いた

静かな住宅地に、長く住んでいます。向かいの家は借家で、これまでにも何度か住む人が入れ替わってきました。

春になり、新しいご家族が越してきました。

「向かいに越してきました。よろしくお願いします」

玄関先でそう挨拶をされ、私たちも頭を下げました。そのときは、ごく普通のご家族という印象でした。

ところがしばらくすると、夜になると向かいの二階から音楽が聞こえてくるようになりました。

曲そのものが大音量というわけではありません。気になったのは、一定の間隔で響く低い音でした。

「まただね…低い音、ずっと響いてる。今日も寝られなさそう」

布団に入った妻が、小さな声で言いました。

窓を閉めても、低い音だけはかすかに残ります。耳で聞くというより、床や壁を通して響いてくるような感覚でした。

一度は直接伝えに行こうと思いました。けれど、夜遅くに突然訪ねて、かえって話がこじれたらどうしようとも考えてしまいます。

向かいの家には、うちより近い位置に隣接している家もあります。

「あちらのほうが、もっと聞こえているんじゃないか」

そんなことを考えながら、結局私は何も言えないまま、夏になりました。

回覧板に入っていた、一枚の注意書き

ある日、自治会の回覧板が回ってきました。

いつもの地域行事のお知らせに混じって、「夜間の生活音について」という一枚の紙が入っています。

そこには、夜遅い時間の音楽やテレビの音、床や壁を通して響く低い音にも配慮してほしい、と書かれていました。

特定の家の名前はありません。この時期は窓を開ける家庭も多いため、周囲へ音が伝わりやすくなることにも触れられていました。

私はその紙を読み、判を押して次の家へ回しました。

その日の夜、向かいの家から低い音は聞こえてきませんでした。

翌日も静かでした。その次の日も同じです。

「今日は静かだね」

妻がそう言い、久しぶりに音を気にせず眠ることができました。

困っていたのは、私たちだけではなかった

数日後、隣の家の方と道で会ったとき、回覧板の話になりました。

「あの注意書き、うちから自治会の班長さんに相談したんです」

その家でも、夜の低い音が気になっていたそうです。

ただ、直接言いに行けば相手を責めるようになってしまうかもしれない。そこで自治会の班長さんに相談し、特定の家を名指しせず、地域全体へのお願いとして回してもらったとのことでした。

私は、それを聞いて少し驚きました。

私の中では、ずっと「直接言いに行くか、我慢するか」の二つしかなかったからです。

向かいのご家族も、そこまで音が響いているとは気づいていなかったのかもしれません。その後、深夜に低い音が続くことはほとんどなくなりました。

誰かを責めなくても、困っていることを伝える方法はある。

今でも夏になって回覧板を見ると、あの一枚の注意書きを思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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