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第83回ベネチア国際映画祭(2026年)がまもなく開幕!日本勢2本ほか、見どころトピックス4

  • 2026.8.28
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現地時間9月2日から12日までイタリア・ベネチアで開催される第83回ベネチア国際映画祭は、ダニー・ボイルの『Ink』でオープニングを迎える。今年の金獅子賞候補のコンペティション部門には、日本から是枝裕和監督と塚本晋也監督の新作2本が名を連ねるほか、8年ぶりに新作を発表するイ・チャンドン、マーティン・マクドナー、ダニー・ボイルら巨匠の新作が顔を揃えた。さらに開幕直前、オスカー受賞作『ノー・アザー・ランド』の監督チームによるガザをめぐるドキュメンタリー『NAZA』がコンペに追加されるという大きなニュースも飛び込んできた。ここでは、気になる注目ポイントを総括する。

金獅子賞の本命はイ・チャンドンvs.マーティン・マクドナー?

今年のコンペティションを語るうえでまず注目したいのが、巨匠たちのカムバック。なかでも本命候補は、イ・チャンドン監督のNetflix映画『もしもの愛(英題:Possible Love)』だ。 『オアシス』でベネチア銀獅子賞(監督賞)を受賞したイ・チャンドンが、2018年の『バーニング 劇場版』以来、実に8年ぶりに長編を発表。ベネチアへの参加は24年ぶり。

『もしもの愛』は、失業した夫婦と裕福なドキュメンタリー監督夫妻、2組の夫婦が交差することで、それぞれが抱える欲望や格差、結婚生活の亀裂が浮かび上がっていく物語。チョン・ドヨン、ソル・ギョング、チョ・インソン、チョ・ヨジョンという韓国を代表する俳優陣が顔を揃える。ちなみに、韓国のアカデミー賞国際長編映画賞代表作品にも選出された。Netflixで2026年配信予定。

対抗馬の最有力候補と予想されているのは、マーティン・マクドナー監督による『ワイルド・ホース・ナイン』。1973年のチリ軍事クーデター直前、イースター島に派遣されたCIAエージェント2人を、サム・ロックウェルとジョン・マルコヴィッチが演じる。CIAのエージェントに迫り来る、想像もつかない危機とユーモラスかつ謎に満ちた展開が見どころのブラックコメディだ。 2027年日本公開予定。

このほか、オープニング作であるダニー・ボイル監督『Ink』、ヴェルナー・ヘルツォーク監督『Bucking Fastard』、ナンニ・モレッティ監督『Succederà Questa Notte』など、ベテラン男性監督が揃い踏み。各作品がワールドプレミア上映となるなか、どのように情勢が変わるのか、注目したい。

日本勢に金獅子賞のチャンスはある?

日本からは、コンペティション部門に、是枝裕和監督『ルックバック』と塚本晋也監督『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』2本がノミネートされている。

是枝監督の『ルックバック』は、藤本タツキの人気漫画を実写映画化。出口夏希と蒔田彩珠が、漫画を通して出会い、創作を通じて絆を育んでいく少女たちを演じる。上映は9月7日、メイン会場で予定されている。日本での公開は9月11日(金)予定。

塚本監督の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』は、ベトナム戦争に従軍した元米兵アレン・ネルソンの証言をもとに、戦争加害者の傷を描く作品。塚本監督ならではの強烈な作家性と、現在の世界情勢との共鳴という意味でも、コンペのなかで異彩を放つ一本だ。

2023年には濱口竜介監督の『悪は存在しない』が銀獅子賞(審査員大賞)を受賞。そこから3年ぶりのコンペ入りとなった今年は、日本勢が再びベネチアで話題を集められるかが焦点だ。

La Biennale di Venezia“NAZA”(2026)

政治と映画祭の距離感はどうなる?

今回最大のサプライズは、『NAZA』がコンペティション部門に追加され、ラインナップは当初の20作品から21作品に増えたこと。

本作は、テルアビブの屋上で夜間に撮影された、ガザにおけるパレスチナ市民の殺害をめぐるシステムを問う80分間のドキュメンタリーだ。9月10日にSala Grandeで上映予定で、今年のコンペティション部門では唯一のドキュメンタリー作となる。

監督は、2025年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の共同監督、ユヴァル・アブラハムとレイチェル・ツォール。『関心領域』で知られるジョナサン・グレイザーも製作総指揮に名を連ねる。

2025年のベネチアでは、ガザを題材にした『ヒンド・ラジャブの声』が銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した。今年もまたガザをめぐる作品が目玉に加わったことで、映画界の政治へ対するスタンスに一石を投じることになるだろう。マギー・ギレンホール率いる審査員団が、どう評価するのか注目したい。

豪華スターの競演も見逃せない!

ロバート・パティンソンからジョージ・クルーニーまで、今年もベネチアには豪華スター達が凱旋する。

コンペティション部門では、ロバート・パティンソン主演、ランス・オッペンハイム監督がリアリティ番組の裏側を描いたA24作『Primetime』(2027年日本公開予定)に加え、ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム、ポール・ダノらが集結するフロリアン・ゼレール監督の『Bunker』や、アリシア・ヴィキャンデル&スーザン・サランドン出演の『The Echo Chamber』も華やかなレッドカーペットとなるだろう。

何より、今年のベネチアで絶対にチェックしたいのが、ジョージ・クルーニーとエレン・バースティンへの生涯功労賞の授与だ。ジョージ・クルーニーは9月3日にマスタークラスにも登壇予定。現在の心境を明かす、貴重な機会となりそうだ。

最後に、今年のコンペティション部門の審査員長を務めるのは、俳優・監督として活躍するマギー・ギレンホール。カウソール・ベン・ハニア、ダニエル・ブルームバーグ、ジョン・ウーらが審査員を務める。 巨匠の新作から世界の現実を捉えた話題作まで、今年のベネチアは例年以上に、どの作品にスポットライトが当たるのか、見逃せない展開になりそうだ。

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