1. トップ
  2. エピソード
  3. 「請求書に書いてある番号にかけたのに」電話先で困惑しているお客様。だが、同僚のアドバイスに助けられた

「請求書に書いてある番号にかけたのに」電話先で困惑しているお客様。だが、同僚のアドバイスに助けられた

  • 2026.8.30

朝いちばんの電話が、どうしても噛み合いませんでした

通信販売のお客さま窓口で、電話を受ける仕事をしています。

その朝いちばんに鳴った電話を取ると、受話器の向こうから困った様子の女性の声が聞こえてきました。

何かを確認したくて電話をしたものの、どこへ問い合わせればいいのか分からなくなっているようでした。

「恐れ入ります。まず、お名前をうかがってもよろしいでしょうか」

教えていただいた名前で記録を探しましたが、該当する情報が出てきません。

そこで、手元にあるという請求書について、どこに書かれた番号へ電話したのかを確認してみることにしました。

「請求書に書いてある番号にかけたのに」

請求書には問い合わせ内容ごとに複数の電話番号が記載されていました。どうやら女性は、今回の用件とは別の窓口の番号を見て電話をかけていたようです。

「今回のお問い合わせですと、別の欄に書かれている番号へお電話いただく形になります」

そうお伝えしたものの、なかなか話が噛み合いません。

「でも、ここに番号が書いてあるでしょう」

私も言い方を変え、番号を一桁ずつ読み上げました。それでも女性は、自分が見ている場所と私が案内している場所の違いが分からないようでした。

同じ説明を繰り返すうちに、受話器を握る手に力が入っているのが自分でも分かりました。

隣の同僚が「番号の上を聞いてみたら」と教えてくれました

そのとき、やり取りが長くなっていることに気づいた隣の席の同僚が、私のメモを見ながら小さな声で言いました。

「番号じゃなくて、その上に何て書いてあるか聞いてみたら?」

私ははっとしました。

正しい番号を伝えることばかり考えて、女性が請求書のどの欄を見ているのかを確認していなかったのです。

「お手元の番号のすぐ上には、何と書かれていますか」

そう尋ねると、女性は請求書を見直しながら、そこに書かれている文字をゆっくり読み上げました。

それは、今回案内したい窓口とは別の項目でした。

「では、その少し下に別の問い合わせ先がありませんか」

紙を動かす音が聞こえ、少し間が空きました。

「あら。こっちにも番号があるのね」

そこで初めて、女性自身も別の欄を見ていたことに気づいたようでした。

「私、ずっとこっちだけ見てたわ。ありがとう」

必要な番号をもう一度確認して、電話は終わりました。

受話器を戻すと、隣の同僚が「分かってよかったね」とだけ言って、自分の仕事に戻りました。

あのとき私は、正しい情報を何度も伝えれば分かってもらえると思っていました。でも必要だったのは、相手が今どこを見ているのかを一緒に確かめることでした。

それ以来、電話で話が噛み合わないときほど、同じ説明を繰り返す前に「今、何が見えていますか」と確認するようにしています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ