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「会計を一人ずつ分けてもらえますか」混雑時に会計を分けてくれと言う客。だが、店長の機転に救われた

  • 2026.8.30

十人ほどのグループが、順番にレジへ来た

飲食店で働いていたころの話です。昼どきの店内は混み合い、レジの前にも十人近くのお客さまが並んでいました。

そこへ、奥のテーブルにいたグループのお一人が伝票を持って来られました。

「すみません、会計を一人ずつ分けてもらえますか」

十人ほどで食事をされていた方々でした。

私は「かしこまりました」と答え、その方が注文したものを伝票から確認していきました。

「私はこれと、これ。それからこの飲み物です」

同じ料理を頼んだ方もいて、どれが誰の分なのか、その場で一つずつ確かめなければなりません。

ようやく一人目のお会計が終わると、席から次の方が立ち上がりました。

「次、私お願いします」

その後ろでも、別の方が自分の財布を持って待っています。

一人ずつ注文内容を確認してから会計するので、どうしても時間がかかりました。

通常のお会計を待っている列は、少しずつ長くなっていきます。

後ろのお客さまが腕時計を見る姿も目に入りました。

個別会計を断る決まりはありません。ただ、このまま十人分続ければ、昼休みに来ているほかのお客さまをかなり待たせてしまいます。

どう案内すればいいのか分からず、私は目の前のお会計を続けるしかありませんでした。

店長がお願いしたのは、会計をやめることではなかった

そのとき、厨房から出てきた店長がレジの様子に気づきました。

事情を聞くと、グループの方々に向かって穏やかに言いました。

「個別のお会計はできますので、恐れ入りますが、いったんお席でそれぞれ何を召し上がったか確認していただけますか。その間に、こちらのお客さまを先にご案内します」

「ああ、そういうことね」

グループの方々は特に嫌な顔をすることもなく、伝票を持って席へ戻られました。

私はそのまま通常のお会計を進めました。止まっていた列が少しずつ動き、しばらくすると昼どきの混雑も落ち着いてきます。

そのころには、グループの方々も自分が何を頼んだのかを確認できていました。

「私はランチとコーヒーです」

「私はこっちのセットだけです」

今度は迷うことなく内容が分かったので、一人ずつでも先ほどよりずっと早く会計できました。

困っていたのは、お客さまではなく「決まりがないこと」だった

その出来事をきっかけに、店では大人数の予約を受けるとき、個別会計を希望する場合はあらかじめ注文内容を各自で確認してもらうよう案内することになりました。

個別会計そのものを断ったわけではありません。混雑する時間に、レジで一人ずつ注文を確認する時間を減らすための案内です。

あの日の私は、「お客さまの希望には応えたい。でも後ろの列も止めたくない」と迷っていました。

店としてのやり方が決まっていれば、誰かを責めることなくお願いできます。

店長が変えたのは、お客さまの希望ではなく、私たちが迷わず対応できるようにするための手順でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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