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「店員なら売り場くらい知っておけよ!」入社して日が浅いバイトに怒鳴る客。後日、再度来店した客に見せた成長

  • 2026.8.29

確認しますと答えた、それだけだった

三十代になった今でも、ふとした拍子に思い出す言葉があります。若いころ、スーパーでアルバイトをしていたときのことです。

当時の私は、決まった売り場で品出しや値札の確認をし、混雑したときにはレジの応援にも入っていました。

働き始めてまだ日が浅く、担当外の商品がどこにあるのかまでは、すべて覚えられていませんでした。

ある日、売り場で品出しをしていると、男性のお客さんから声をかけられました。

「これ、どこにある?」

聞かれたのは、私の担当とは違う売り場の商品でした。場所に自信がなかったため、曖昧に案内するより確認したほうがいいと思いました。

「確認しますので、少々お待ちください」

そう答えた直後でした。

「店員なら売り場くらい知っておけよ!」

男性は強い口調でそう言うと、私の返事を待たずに歩いていきました。

何がそんなに気に障ったのかは分かりません。ただ、そのときの私は驚いてしまい、しばらくその場に立ったままでした。手には品出し途中の商品があり、通路ではほかのお客さんがいつもどおり買い物をしています。

やがて我に返り、私は仕事に戻りました。それでも、その言葉だけはしばらく頭から離れませんでした。

少しずつ、担当外の棚も見るようになった

それから私は、仕事で別の売り場を通るとき、その棚に何が並んでいるのかを意識して見るようになりました。

品出しを頼まれてほかの通路へ行けば、棚の位置も一緒に覚える。分からない商品を聞かれたときには、確認したあと、その場所を自分でも覚えておく。

そんなことを繰り返しているうちに、少しずつ店内の配置が頭に入っていきました。

先輩から「ずいぶん詳しくなったね」と言われたこともあります。私は笑って返しましたが、きっかけになった出来事までは話しませんでした。

しばらく経ったある日、以前の男性を売り場で見かけました。

男性はこちらに近づき、ある日用品の場所を尋ねました。今度は、私にもすぐ分かる商品でした。

「そちらの通路を進んだ先、右側の棚にあります」

そう答えると、男性は一度こちらの顔を見ました。

「ああ、ありがとう」

返ってきたのは、それだけでした。

私はそのまま品出しに戻りました。言い返したいとも、見返したとも思いませんでした。

ただ、以前とは違って、落ち着いて案内できたことに少しだけほっとしました。

その後も店内で男性を何度か見かけましたが、以前のような強い言葉を向けられることはありませんでした。

今振り返っても、分からないことを確認しようとした私が、あんな言い方をされる必要はなかったと思います。

それでも、担当外の売り場にも少しずつ目を向けるようになったのは、あの日の出来事がひとつのきっかけでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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