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「また来たよ、聞いてほしい話があるんだ」お店で話しが長いお客さん。だが、店員が伝えた一言とは

  • 2026.8.29
「また来たよ、聞いてほしい話があるんだ」お店で話しが長いお客さん。だが、店員が伝えた一言とは

手を止めたまま、40分が過ぎていく

アパレルショップで働いていた頃の話です。毎週のように店へやって来る、顔なじみのお客さんがいました。

その人は、服を探しているというより、店員と話をすることが目的のようでした。店内をゆっくり見て回り、レジ付近にいる私を見つけると、いつも同じように声をかけてきます。

「また来たよ、聞いてほしい話があるんだ」

そこから始まるのは、天気やテレビ、近所で見かけた出来事などの世間話でした。悪い人ではありませんし、無理な要求をされるわけでもありません。ただ、一度話が始まるとなかなか終わらず、気づけば40分近く経っていることもありました。

私は新人だったこともあり、話の途中で離れるのは失礼だと思っていました。そのため、畳みかけの服があっても手を止め、ずっと相槌を打っていたのです。

先輩たちは、作業があれば「これを戻してきますね」と自然にその場を離れていました。でも私は、そんなふうに切り上げることがなかなかできませんでした。

話を断るのではなく、仕事を続けることにした

ある日、そのお客さんがいつものように話しかけてきました。

そのとき私は、売り場で何枚もの服を畳み直している途中でした。いつものように手を止めかけましたが、少し考えてから言いました。

「作業しながらでもよければ、お話聞きますね」

お客さんは一瞬だけ驚いた顔をしましたが、すぐに「もちろんいいよ」と笑いました。

私は服を畳みながら話を聞きました。値札の向きを直したり、棚へ商品を戻したりしながら、ときどき顔を上げて相槌を打ちます。

すると、お客さんのほうも私が仕事中だと意識したのか、話の区切りで「じゃあ、今日はこのくらいにするよ」と帰っていきました。いつもよりかなり短い時間でした。

近くにいた先輩も、「それなら作業も止まらないね」と笑っていました。

それからも、その人は変わらず店へ来ました。ただ、私が長い時間立ち止まることはなくなりました。服を畳みながら聞き、途中で別のお客さんが来れば「少し失礼しますね」と接客へ戻ります。それでも、その人が機嫌を悪くすることはありませんでした。

しばらくしたある日、その人が一枚の服を持ってレジへ来ました。

「今日はこれも買っていくよ」

私は少し驚きながら、いつもどおり会計をしました。

話をすること自体を断らなくても、仕事まで止める必要はなかったのだと思います。新人だった私は、その人とのやり取りを通して、相手に失礼にならない距離の取り方を少しずつ覚えていきました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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