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1回の調査で「一万個以上の太陽系外惑星」を発見か

  • 2026.5.6
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

私たちの太陽系の外にある惑星、つまり「太陽系外惑星」は、1995年に初めて発見されて以来、少しずつ数を増やしてきました。

ところが今回、NASAの「トランジット系外惑星探索衛星(TESS)」のデータを機械学習で解析した研究により、1回の調査で1万個以上の新たな惑星候補が見つかった可能性が示されたのです。

この研究は「T16プロジェクト」と呼ばれる取り組みによるもので、まだ査読前のプレプリント段階ですが、確認が進めば、太陽系外惑星探しの地図を一気に塗り替える発見になるかもしれません。

研究の詳細は2026年4月20日のプレプリントサーバー『arXiv』に公開されています。

目次

  • 見えていたのに見過ごされていた「暗い星」たち
  • 1万1554個の太陽系外惑星の候補を発見

見えていたのに見過ごされていた「暗い星」たち

太陽系外惑星を探す代表的な方法の1つに、「トランジット法」があります。

これは、惑星が光を放つ恒星の前を横切るとき、恒星の明るさがほんのわずかに暗くなる現象を利用する方法です。

たとえば、遠くの街灯の前を人が横切ると、一瞬だけ光が弱まって見えることがあります。

トランジット法は、それに似た微かな変化を宇宙規模で探す作業だと考えるとわかりやすいでしょう。

TESSはまさに、このトランジットを見つけるために設計された宇宙望遠鏡です。

ただし、これまでのTESSによる惑星探索では、比較的明るい恒星が主な対象になっていました。

明るい星の方が、惑星が横切ったときの明るさの変化を見つけやすく、確認もしやすいからです。

一方で、TESSの広い視野には、もっと暗い星も大量に写り込んでいます。

しかし暗い星では、明るさの変化がノイズに埋もれやすく、人間の目や従来の解析では見逃されがちでした。

今回のT16プロジェクトは、そこに注目しました。

研究チームは、TESSの主要ミッション第1サイクルで得られた全天画像から、TESS等級16等までの恒星8371万7159個の光度曲線を整備しました。

光度曲線とは、星の明るさが時間とともにどう変化したかを記録したデータです。

チームはこの膨大なデータに対して、傾向除去や系統誤差補正を均一に施し、TESSの公式パイプラインでは十分に扱われてこなかった暗い星まで含めて探索できるようにしました。

そして機械学習を用いた半自動探索により、わずかな明るさの低下の中から、惑星の通過らしき信号を探し出したのです。

1万1554個の太陽系外惑星の候補を発見

その結果、研究チームは1万1554個の太陽系外惑星候補を報告しました。

これらはTESSバンドで16等級までの恒星を周回している候補で、公転周期は0.5日から27日の範囲にあります。

このうち1万91個は新たな惑星候補であり、別の1052個はすでに知られていたTESSの惑星候補でした。

また411個は、惑星が恒星の前を横切ったように見える現象が1回だけ観測された「単一トランジット事象」です。

もちろん、候補が見つかっただけで、それらすべてが本物の惑星だと確定したわけではありません。

恒星活動や別の天体による影響が、惑星の通過に似た信号を作ることもあるためです。

その一方で、今回の候補の多くは公転周期が短いため、主星にかなり近い軌道を回っている可能性があります。

そのため、私たちが知るような生命を支える環境としては、あまり適していないかもしれません。

それでも、この研究の価値は小さくありません。

暗い星の周囲に眠っていた候補を一気に掘り起こしたことで、今後の確認観測や追跡研究の対象が大幅に増えたからです。

今回の発見は、既知のTESS太陽系外惑星候補の数を2倍以上に増やすものです。

まだすべてが「惑星」と確定したわけではありませんが、機械学習が宇宙の暗がりに隠れていた世界を見つける強力な道具になり得ることを示した研究だと言えます。

私たちが見逃していたのは、惑星が少なかったからではなく、探す目がまだ十分に鋭くなかっただけなのかもしれません。

参考文献

Scientists identify 10,000 ‘impossible’ exoplanet candidates, potentially tripling the number of known alien worlds
https://www.livescience.com/space/exoplanets/scientists-identify-10-000-impossible-exoplanet-candidates-potentially-tripling-the-number-of-known-alien-worlds

The T16 Planet Hunt: 10,000 New Planet Candidates from TESS Cycle 1 and the Confirmation of a Hot Jupiter Around TIC 183374187
https://astrobiology.com/2026/05/the-t16-planet-hunt-10000-new-planet-candidates-from-tess-cycle-1-and-the-confirmation-of-a-hot-jupiter-around-tic-183374187.html

元論文

The T16 Planet Hunt: 10,000 New Planet Candidates from TESS Cycle 1 and the Confirmation of a Hot Jupiter Around TIC 183374187
https://doi.org/10.3847/1538-4365/ae5b6c

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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