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夫の車のナビで、私と行った場所だけが履歴から消えていた話

  • 2026.8.28
ハウコレ

返ってきたのは短い一言と、続けて届いた1枚の写真でした。そこに写っていたものを見て、私は打ちかけていた問い詰めの言葉を消しました。

履歴に残っていたのは、私のいない行き先でした

結婚して3年、車は夫の通勤用で、私も買い物のときに借りていました。履歴を開いたのは、前に2人で行った海沿いの道の駅をもう一度設定したかったからです。ところが一覧にあったのは職場と実家、それにホームセンターだけ。前に借りたときは、2人で走った場所がそのまま上のほうに残っていました。それが道の駅も、記念日に予約した店も、1つもありません。私と出かけた記録だけが、きれいに抜き取られたようでした。

既読だけが先について、返事は来ませんでした

出張中の夫にメッセージを送りました。「ナビの履歴、私と行った場所だけ全部ないんだけど」。既読はすぐつきました。入力中の表示が出て、しばらくして消えました。また出て、また消えました。誰かを乗せた記録を消したのではないか、消し方を知っている人が助手席にいたのではないか。想像だけが増えていきます。返事を待つ間、以前の履歴が写っている写真を探して、何枚も画面を送っていきました。道の駅の駐車場で撮った1枚には、ナビの画面がぼんやり写っています。買い物の袋を玄関に置いたまま、私はもう1通だけ送りました。「私と行った場所、なかったことにしたの?」

一言のあとに届いた、1枚の写真

返ってきたのは「消したのは俺です」という一言でした。続けて「勝手に決めてごめん。帰ったら全部話す」。そのあとに写真が1枚届きました。手のひらほどのメモに、日付と行き先の名前が並んでいます。ボールペンの色が途中で変わっていて、思い出しては書き足したことが分かりました。道の駅も、記念日の店も、去年の帰省で寄った峠も、消えたと思っていた行き先は全部そこにありました。「なかったことにしたんじゃない。書き写してから消してた」。車を手放す前に、ナビの記録を消しておく必要があることを、私はそのとき知りました。抜き取られていたのではなく、移されていたのです。

そして...

帰宅した夫は、契約書類とメモをテーブルに並べました。買い替えの相談を先にしてほしかったことは、そこで伝えました。それでも、私が何度も読み返したのはメモでした。新しい車では、あのメモを助手席前の収納に入れています。次の行き先を書く欄は、まだ空けたままです。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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