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世界的ヒットドラマ“日本版”主演女優の出演作「子役のころから圧倒的」「洗練されてる」いま“見返すべき”ドラマ3選

  • 2026.9.12
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芦田愛菜(C)SANKEI

世界的ヒットを記録した韓国ドラマの日本版リメイク『南田南弁護士は天才肌』で、主人公の新人弁護士を演じる芦田愛菜。東大法学部を首席で卒業した知性と、自閉スペクトラム症ゆえの生きづらさを併せ持つ難役に挑む。SNS上でも「子役のころから圧倒的実力」「どんどん洗練されてる」と期待が高まる今、放送前に見返したい出演ドラマ3作品から、その表現力の軌跡をたどる。

※以下本文には放送内容が含まれます。

『マルモのおきて』6歳にして視聴者の涙を誘った天才子役

最初に紹介したいのは、2011年に放送されたフジテレビ系ドラマ『マルモのおきて』だ。
文具メーカーに勤める独身男性・高木護(阿部サダヲ)は、親友の訃報を受け、残された双子の薫(芦田愛菜)と友樹(鈴木福)に再会する。親戚の事情で離れ離れにされそうな二人を見かねた護は、勢いで自分が引き取ると宣言。言葉を話す不思議な犬・ムックも加わり、3人と1匹の共同生活が始まる。
芦田は当時わずか6歳だったが、泣いたり笑ったりするだけでなく、弟を守ろうとする健気さや、父を失った寂しさまで繊細に表現していた。

薫は明るくしっかり者に見える。しかし、それは自分が姉だから頑張らなければならないという幼い決意の裏返しでもある。友樹の前では気丈に振る舞いながら、大人の何げない一言に傷つき、ふとした瞬間に心細そうな表情を見せる。そうした感情の切り替えが、驚くほど自然だった。
何より胸を打つのは、血のつながらない護を少しずつ信頼していく過程である。最初は戸惑いながら始まった暮らしが、食卓を囲み、学校行事を乗り越え、毎日の“おきて”を重ねるうちに、かけがえのない日常へ変わっていく。

芦田は、家族になれた喜びと、その幸せをふたたび失うかもしれない不安を、小さな体いっぱいに表している。作られた子どもらしさではない。薫が本当にそこに生きていると感じさせる力があった。

『最高の教師』静かな言葉で教室の空気を変えた鵜久森叶

それから12年後。芦田が高校卒業後初の連続ドラマ出演作として選んだのが、2023年放送の日本テレビ系 土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』だった。
卒業式の日、生徒の誰かに校舎から突き落とされた教師・九条里奈(松岡茉優)は、死を覚悟した瞬間、1年前の始業式へ戻ってしまう。未来を変えるため、九条はこれまで深く関わろうとしてこなかった30人の生徒たちと、命がけで向き合い始める。

芦田が演じた鵜久森叶は、クラス内で過酷ないじめを受けている生徒。周囲に助けを求めることもできず、自分の気配を消すように毎日をやり過ごしていた。
物語序盤、九条に本心を問われた鵜久森が、抱えてきた苦しみを涙ながらに打ち明ける場面は圧巻だ。声を張り上げて悲しみを訴えるのではない。言葉が喉につかえ、何度も息をのみ、それでも自分の痛みを伝えようとする。彼女のなかに長く積もっていた恐怖と諦めが、沈黙からも伝わってきた。

『マルモのおきて』では全身を使って感情を表していた芦田が、本作では視線や呼吸、言葉を発するまでの“間”で人物の内面を描く。多くを語らずとも、鵜久森がどんな思いで教室に座っているのかがわかるのだ。
強さとは、傷つかないことではない。怖さを抱えたまま、それでも声を上げること。鵜久森の姿を通して、芦田はそんな静かな勇気を体現した。“天才子役”という過去の肩書を超え、一人の女優として作品の核を担えることをあらためて示した一本である。

『片想い』言葉にならない“好き”を表情に宿して

2026年3月に放送されたNHK特集ドラマ『片想い』では、さらに肩の力が抜けた、等身大の芝居を見せている。
岡田惠和が脚本を手がけた本作は、岩手・盛岡を舞台にしたラブストーリー。芦田演じる菅原優衣は、年上の幼なじみ“ケンケン”こと健二(岡山天音)へ、長年思いを寄せている。

二人の家は隣同士で、部屋の窓を開ければすぐに話せる距離にある。優衣にとって健二は、いつの間にか好きになった相手ではない。物心がついた頃からそばにいて、暮らしの風景そのものになっている存在だ。
だからこそ、恋心を告白して関係を変えるより、ただ思い続ける現在を大切にしている。健二を前にすると露骨に機嫌が変わり、うれしさも嫉妬もすぐ顔に出る。それなのに本人を前にすれば、素直になれない。その少し面倒で愛らしいところを、芦田は軽やかに演じた。

『最高の教師』のように重い言葉を背負う役ではなく、日常会話や何げない沈黙のなかで感情を伝える役だ。健二を見つめる目や、好きな気持ちをごまかそうとする口調から、優衣の心が手に取るように伝わってくる。
芦田愛菜は、子役時代に完成していた女優ではない。早くから備えていた豊かな感受性を、年齢と作品に合わせて磨き続けてきた女優なのだ。

『南田南弁護士は天才肌』で演じる南田南は、驚異的な記憶力と独自の視点を持つ一方、他者の感情を読み取ることに難しさを抱える新人弁護士。繊細な内面を説明しすぎずに伝えられる、現在の芦田だからこそ成立する役だろう。
3作品で見せた無垢さ、静かな強さ、そして愛らしい人間味。それらが南田南という新たなヒロインのなかで、どのように結びつくのか楽しみだ。


出典:『マルモのおきて』フジテレビ公式サイト
出典: 土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』日本テレビ公式サイト
出典:特集ドラマ『片想い』NHK ONE

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