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思わず“二度見”「今だと考えられない描写」27年前の“第1シリーズ”無料配信に反響、新ドラマの過去作をふりかえる

  • 2026.9.9
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左が江口洋介、右が松嶋菜々子

13年ぶりの新シリーズを前に、過去の『救命病棟24時』を見返す人が増えている。1999年の第1シリーズを観てみると、院内でタバコを吸う医師やナースキャップ姿の“看護婦”など、令和では見かけない光景に驚かされる。しかし、変わったのは病院の風景だけではない。進藤一生(江口洋介)と小島楓(松嶋菜々子)の原点をたどりながら、医療現場に刻まれた時代の変化と、今なお色あせない“命のドラマ”の魅力を振り返りたい。

※以下本文には放送内容が含まれます。

院内でタバコ? 27年前の病院に刻まれた時代の空気

1999年にスタートした『救命病棟24時』。13年ぶりの新シリーズ放送を控え、TVerでは第1シリーズの一部無料配信が始まっており、懐かしさに浸るファンだけでなく、初めて作品に触れる視聴者も増えている。
そこで反響を呼んでいるのが、ストーリーとは別の部分から漂う圧倒的な“時代感”だ。
第1シリーズには、医師たちが病院内でごく自然にタバコを吸う場面が登場する。白衣姿の進藤が紫煙をくゆらせる。現在の感覚では思わず二度見してしまう光景だ。

SNS上でも「院内でタバコ、今だと考えられない描写」と驚きの声が上がっている。しかし同作が放送されたのは、受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法が施行される前。公共施設や職場での喫煙に、今よりはるかに寛容だった当時の社会を考えれば、決して突飛な演出ではなかったのだろう。

女性スタッフが“看護師”ではなく“看護婦”と呼ばれ、ナースキャップを着用しているのも時代を感じさせる。今ではほとんど見かけなくなったナースキャップだが、当時は看護職の象徴として、ドラマや映画でも欠かせないアイテムだった。

ほかにも、医師たちが紙のカルテへ情報を書き込み、公衆電話やPHSで連絡を取り合う。上司の強烈な叱責や、休まず働き続けることを美徳とする空気にも、令和との隔たりがある。SNS上では「医療現場の歴史がわかる」という声も見られる。

すべての始まりを描いた第1シリーズ

変わりゆく病院の風景に目を奪われながらも、物語が始まれば、たちまち救命救急センターの緊張感に引き込まれる。時代を感じる描写はあっても、作品の根幹に流れる“命とどう向き合うか”という問いは少しも古びていない。

第1シリーズで救命救急センターへ配属されたのは、新米研修医の楓だ。医師としての知識はあっても、一分一秒を争う現場では思うように動けない。初日から次々と搬送されてくる患者に圧倒され、自分の無力さを突きつけられる。

そんな楓の指導医となったのが、孤高の天才外科医・進藤だった。進藤は圧倒的な技術を持つ一方、患者にも同僚にも厳しく、楓の未熟さを容赦なく指摘する。令和の感覚で見れば、その言葉や態度に、厳しすぎると感じる場面もあるだろう。

しかし、進藤は冷たいわけではない。彼が最優先するのは、常に目の前の患者の命。誰かに嫌われても、組織の空気を乱しても、救える可能性が残っている限り決して諦めない。その覚悟が極端な厳しさとして表れている。

当初は進藤のやり方に反発していた楓も、数々の現場を経験するなかで、自身の甘さと向き合っていく。助けられる患者ばかりではない。家族の願いと医師の判断が食い違うこともある。それでも立ち止まらず、ふたたび患者のもとへ向かう。失敗と挫折を重ねながら救命医になっていく楓の姿は、今見ても胸が熱くなる。

第2シリーズが描いた“チーム”と自己犠牲の危うさ

第1シリーズが進藤と楓の対立と成長を軸にしていたのに対し、2001年放送の第2シリーズでは、崩壊寸前の救命救急センターが一つのチームへ変わっていく過程が描かれた。
医師を辞めていた進藤は、港北医大救命救急センターの医局長・小田切薫(渡辺いっけい)に誘われ、現場へ復帰する。そこで衝突するのが、心臓外科から異動してきた香坂たまき(松雪泰子)だ。
目の前にいるすべての患者を救おうとする進藤に対し、たまきは限られた医療資源や回復の可能性を冷静に見極めようとする。感情より効率を優先する彼女は一見冷たく映るが、救命医療では、何をしても助けられない命に時間や人員を割くことで、別の患者を失う可能性もある。

トリアージや脳死移植、大学病院内の派閥争い。第2シリーズでは、“救いたい”という思いだけでは解決できない問題へ踏み込み、医療に絶対的な正解がないことを突きつけた。
過去シリーズを見返すことは、新シリーズを理解する準備にもなる。第6シリーズで描かれるのは、働き方改革や世代間の価値観の違いなど。患者のためにすべてを投げ打つ進藤たちの姿勢と、タイパやワークライフバランスを重視する若手医師たちは、激しくぶつかることになるだろう。

『救命病棟24時』は、変わらないから名作なのではない。変わり続ける社会と医療を映しながら、その中心にある“命とどう向き合うか”という問いを守ってきたからこそ、今も生きている。過去作に刻まれた時代の地層を知ることで、新シリーズが提示するメッセージも、いっそう鮮明に見えてくるはずだ。


出典:ドラマ『救命病棟24時』フジテレビ公式サイトより

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