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「ティッシュくれ」一人につき一日一箱なのに、何度も並び直す客。だが、責任者に相談した結果

  • 2026.8.27
「ティッシュくれ」一人につき一日一箱なのに、何度も並び直す客。だが、責任者に相談した結果

景品は、一人につき一日一箱だった

リサイクルのイベント会場でアルバイトをしていた頃の話だ。

私の担当は、家庭で集めたペットボトルを持ってきた方を受け付け、参加記念の箱ティッシュを渡すことだった。

ペットボトルの本数に応じて景品が増える仕組みではない。持参した方には、一人につき一日一箱まで。それが会場の決まりだった。

その日は朝から人が多く、受付には何度も列ができていた。私はペットボトルを受け取り、ティッシュを渡しては、次の方を案内していた。

しばらくして、列の先頭に見覚えのある人が立った。

「ティッシュくれ」

少し前にも、その人には箱ティッシュを渡した覚えがあった。

ただ、次から次へと人が来ていたため、本当に同じ人だったのか、その場では自信が持てなかった。

しかも私はまだアルバイトを始めたばかりだった。もし勘違いだったらどうしようと思うと、自分の判断で断ることができなかった。

結局、そのときはもう一箱渡してしまった。

その後も気になって見ていると、その人らしき姿が、時間を空けてまた列の後ろに並んでいた。

何度も来ているように見える。でも、確信がないまま声をかけるのも怖い。初日は何も言えないまま終わった。

翌日、同じ靴を見て確信した

翌朝、私は仕事が始まる前に責任者へ相談した。

「同じ方が何度も並んでいるように見えたんですが、こういう場合はどうすればいいですか」

責任者は、「同じ方だと分かったら、一人一日一箱までと伝えてください」と答えた。

問い詰めたり、追い返したりする必要はない。ただ決まりを説明すればいい。そう分かると、少し気持ちが楽になった。

そして、その日の午後だった。

昨日の客によく似た人が受付に来た。私は箱ティッシュを一箱渡し、その人の姿をなんとなく覚えていた。

ところが少し時間が経つと、また同じような人が列に並んでいる。

帽子をかぶっていたため、一瞬迷った。けれど受付へ近づいてきたとき、足元を見て気づいた。

先ほどと同じ、かかとが少し潰れた特徴のある靴だった。

顔を見直すと、やはり以前ティッシュを渡した人だった。

その人が私の前まで来ると、またペットボトルの入った袋を差し出した。

今度は、迷わず伝えた。

「申し訳ありません。景品はお一人さま一日一箱までなんです」

相手は「また持ってきたんだから、いいだろう」と言った。

私は、責任者から教わったとおり、もう一度だけ説明した。

「ペットボトルの量にかかわらず、一日にお渡しできるのは一箱までなんです」

その人はしばらく黙っていたが、それ以上は何も言わず、列から離れていった。

その後、私の担当時間中に同じ人が並び直すことはなかった。

初日は、間違っていたらどうしようと思って何も言えなかった。それでも、先に責任者へ確認しておいたことで、翌日は落ち着いて決まりを伝えることができた。

あのとき足元の靴に気づかなければ、また迷っていたかもしれない。今でも、ときどきその日のことを思い出す。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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