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現代では完全アウトなパワハラ行為が、17世紀では武器になる!? 現代ワンマン社長が大航海に挑むタイムスリップコメディ!【書評】

  • 2026.8.26

【漫画】本編を読む

『船長、問題ありません!』(佐藤宮/KADOKAWA)は、社員全員に逃げられたワンマン社長が17世紀へタイムスリップし、貿易船の船長として大航海に挑むという斬新なコメディだ。現代社会では問題視される「パワハラ」が、現代の常識が通用しない17世紀の海では意外にも武器になるという設定が面白い。

主人公・久我尋海は、貿易会社を経営する21世紀のワンマン社長。そのあまりの横暴さから社員全員に一斉退職され、ひとり残務処理に追われていた。そんなとき、激しい地震が発生する。そして気がつくと、そこは17世紀の海の上だった。しかも尋海は、イギリスの貿易船の船長と中身が入れ替わっていた。海賊の襲撃、船員の反乱、不衛生な船内環境や食事など、次々と襲いかかるトラブルに、尋海は21世紀の知識と持ち前の強引さで立ち向かっていく。

現代ではきっとアウトな尋海のやり方が、過酷な船上生活では思わぬ形で力を発揮する。船員たちに容赦なくダメ出しし、問題が起これば強引に解決へと導く。そして船員たちと命懸けの航海を続けていくうちに、彼の「人の動かし方」も少しずつ変わっていく。笑いながら読んでいるうちに、リーダーに必要なものとは何かということを、尋海とともに考えてしまっている自分に気づくことだろう。

第2巻では、物語のスケールがさらに広がっていく。カナリア諸島を目指していた一行だったが、たどり着いたのは謎の植物や奇妙な動物が生息する未知の島。度重なるトラブルに、さすがの尋海も心が折れそうになるのだが、17世紀のスパイス貿易にビジネスチャンスを見出す。一方、尋海と入れ替わって現代へやってきた船長も登場し、社長たちが集まるパーティーで豪遊しているというから面白い。時代を超えたふたりの人生はどう転がっていくのか、目が離せなくなるだろう。

嫌われ者だったワンマン社長は、船長として仲間たちを導くことができるのか。パワハラ社長×タイムスリップ×大航海という異色の組み合わせで、歴史ロマンとビジネス、そして笑いを加えた本作。壮大なタイムスリップコメディを楽しんでほしい。

文=馬風亭ゑりん

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