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点滴の針を刺した瞬間、看護師「しまった!」思わぬミスを救った、意外な人物とは…?

  • 2026.9.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、病棟看護師もなです。

仕事中、「しまった」と気づいた瞬間はありませんか?

手順を確認しているつもりでも、仕事に慣れてくると「いつものことだから」と無意識に準備を進めてしまい、思わぬ抜けが起こることがあります。

ある日の勤務中、私は点滴の処置中に、固定に使うテープを準備し忘れていたことに気づきました。

しかも、そのとき私は患者さんの腕を押さえたまま、その場から動けない状態でした。

「しまった!」と焦る私を助けてくれたのは、意外な職種のスタッフでした。

今回は、処置中に身動きが取れなくなった私が、周囲に助けを求めることで乗り切った出来事をお話しします。

針は入った。でも、固定するテープがない

ある日、患者さんに点滴をすることになりました。

必要な物品を準備して患者さんのもとへ向かい、いつものように手順に沿って処置を進めました。

針も無事に入り、「よかった」と思った直後でした。

「……固定するテープ、持ってくるの忘れた」

点滴の針を刺した直後、そう気づきました。しかも患者さんの腕から手を離すことができず、自分では取りに戻れません。

ここで手を離して針が抜けてしまえば、患者さんにもう一度痛い思いをさせてしまいます。ナースコールも、すぐ手の届く場所にはありません。

「自分の準備不足だ……どうしよう」

焦る気持ちと、患者さんを待たせてしまっている申し訳なさがありました。

それでも、今は反省している場合ではありません。

「まずは、この状態を安全に保ったまま、どうやってテープを持ってきてもらうか」

そう考えながら、患者さんの腕を押さえていました。

すると、カーテンの向こうから廊下を歩く足音が聞こえてきました。

「誰かいる……!」

動けない私が頼ったのは、看護師ではなく理学療法士だった

足音の主は、理学療法士でした。

私はカーテン越しに声をかけました。

「すみません。看護師に固定テープを持ってきてもらえるよう、伝えてもらえますか?」

すると、

「おお!わかったよ!」

と、快く引き受けてくれました。

そのとき私が考えたのは、「自分で取りに行けないなら、誰かに頼むしかない」ということでした。自分のミスだから、自分で何とかしなければ。そんな思いも一瞬ありました。でも、患者さんの腕を押さえている以上、無理に動くことはできません。

「誰かに助けを求めることも、今の自分にできる行動の一つ」

そう切り替えました。しばらくすると、先輩看護師が走ってきてくれました。

そして、私を見るなり一言。

「伝書バトが飛んできたよ〜」

張り詰めていた私は、思わず心が緩みました。

もちろん、患者さんに危険を及ぼしかねないミスをした反省は消えません。後日、病棟内でヒヤリハットとして共有し、二度と同じことを起こさないと心に誓いました。

無事に固定テープを受け取り、点滴を固定することができました。

患者さんをお待たせしたことを謝り、助けてくれた理学療法士と先輩看護師にもお礼を伝えました。

振り返れば、たまたま近くを理学療法士が通ったという幸運もあります。

ただ、困ったときに声をかけられたのは、普段から職種に関係なく挨拶や会話をしていたからこそだと思います。

準備だけでなく、「助けを求められる関係」も大切だった

この経験以来、点滴や処置を始める前には、「必要なものはすべてそろっているかな」と、一度立ち止まって確認するようになりました。

慣れている仕事ほど、準備も無意識にできるようになります。

だからこそ、「いつものことだから大丈夫」と思った瞬間こそ、確認する。

そしてもう一つ、この出来事をきっかけに、日頃のコミュニケーションも大切にしたいと思うようになりました。

「おはようございます」と挨拶をしたり、少し雑談をしたり。一見すると仕事とは関係のない会話です。

でも、いざというときに「すみません、助けてもらえますか」と声をかけられる関係は、日々の小さなやり取りから生まれるのだと思います。

困ったときに頼れることも、仕事の力

命や健康を預かる現場において、ミスはあってはならないものです。

それでも万が一、『しまった』という状況に陥ってしまったとき、大切なのは、ミスを抱え込むことではなく、安全を守りながら「今、自分にできること」を考えること。

仕事前の確認と、困ったときに助けを求められる関係。

この2つを意識するだけでも、思いがけない場面で自分と周囲を助ける力になるのだと思います。


もな|病棟看護師・看護師ライター

看護師歴7年。急性期・整形外科、地域包括ケア病棟(混合病棟)、訪問看護を経験。現在も看護師として勤務しています。看護師として働く中で経験した「失敗」「戸惑い」「人との関わり」をもとに、医療現場で働く人だけでなく、仕事や人間関係に悩む方にも届く文章を発信しています。


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