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機内食の選択で…「なぜ選べないんだ!」激怒するカップル→後回しにしても良いと言ったのに…CAが体験した理不尽な展開

  • 2026.10.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

国際線のフライトにおいて、機内食のサービスが楽しみの一つという方も多いのではないでしょうか。

しかし、和食と洋食それぞれの数に限りがある機内食のサービスは、私たちCAにとってもどこか緊張感漂う、気を遣う場面でもあります。

今回は、そんな機内食の選択を巡って生じた一見理不尽なトラブルと、その裏に隠されていたお客様の思わぬ事情についてご紹介します。

さまざまな想いを抱えたお客様が搭乗される機内で、それぞれの人間模様にCAがそっと寄り添う瞬間とは。

「なぜ選べないんだ!」CAの説明も虚しく、憤慨された瞬間

それは、長距離の国際線、エコノミークラスでの出来事でした。

和食と洋食から選択していただく機内食のご希望を、前方のお客様から順に伺っていたときです。

あるカップルの男性がトイレに向かい離席してしまったため、女性に先に決めていただこうと声をかけると「彼が戻ってから一緒に決めたい」と、保留を希望されました。

後回しになる場合、和食か洋食か選べなくなる可能性もお伝えしましたが、女性は「それでも大丈夫です」とおっしゃったため、後列のお客様へ先に伺っていくことになりました。

男性が席に戻られたのは、最後列まで配り終えた後。

その時点で残っていたのは和食と洋食が各一食のみで、予備はありませんでした。

しかし、お二人が希望されたのは、揃って「洋食」だったのです。

偏りの出ないよう、お連れ様同士で和食と洋食を一食ずつ選択してご協力いただいたお客様もいらっしゃったため、在庫状況とこれまでの経緯を、お詫びと共に丁寧にお伝えしました。

事情を知らない男性からすれば、『前の方の席なのになぜ選べないんだ!』とご不満に思われるのは無理もないことでした。しかし、これまでの経緯を知っているはずの女性までもが男性に同調するように不満げな態度に変わっていったのです。

理不尽な態度の裏に隠されていた想い

最終的に、ご協力いただいた他のお客様と同じように「到着前の二食目の機内食では、お二人にも優先して選択していただく」という提案で、なんとか納得していただくことができました。

しかし、どこかすっきりとしないやるせなさが私の胸の中には残っていました。

すると、機内の照明が落とされ男性がすっかり眠りについた頃、女性が一人で静かにキッチンへやって来られたのです。

先ほどまでのやり取りを思い返し、私は少し身構えながらも「何かございましたか?」と伺うと、女性はこうおっしゃいました。

「さっきはごめんなさい。彼に嫌われたくなくて、本当のことが言えなかったんです」

申し訳なさそうに、突然明かされた本音。

先ほどの理不尽に見えた態度の裏には、男性に嫌われたくないという複雑な心情があったのです。

お客様の「心情」に、そっと寄り添うこと

「そうだったのですね。教えてくださってありがとうございます」と、女性の謝罪を受け止めると、私の胸の奥にあったやるせなさもすっと消え、ホッとした表情で席に戻られる後ろ姿を温かく見送ることができました。

お客様の理不尽に思えた行動の裏側には、密かに抱えた葛藤があったのだと知った瞬間でした。

限られた空間だからこそ大切にしたい、受け止める柔軟さ

空の上には、実にさまざまな人間模様が存在します。

安全を守り、周囲への配慮を怠らないようにしたうえで、その背景にある一人ひとりの「事情や心理」にそっと耳を傾け、受け止める柔軟さも大切なのだと実感しています。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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