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幼いころに出会った“おハゲ”の野良猫が忘れられなくて…「ふわふわの毛で生まれ変わってほしい」願いを漫画に【著者インタビュー】

  • 2026.8.25

【漫画】本編を読む

たとえ少しの時間であっても、一緒に暮らしたペットはかけがえのない家族だ。天国へ旅立ち、肉体が自分のそばからいなくなったとしても、家族である飼い主はその子の幸せを願い続ける。

現役看護師でもある著者・中山有香里さんが描いた『天国での暮らしはどうですか』(中山有香里/KADOKAWA)は、そうした飼い主たちの心を優しく包み込んでくれる。

本作に描かれているのは、愛するペットや人間が天国へ旅立った“その後”の物語。自分が亡くなったあとの飼い主を心配する老犬や、3ヶ月しか一緒にいられなかった飼い主を想い続ける猫の姿など、登場する動物たちと飼い主の深い絆に涙が止まらなくなる。

作者である中山さんは、これまでどのような別れを経験し、どんな想いから本作を描いたのだろうか。作品制作の裏側を伺った。

――本作では、温かなユーモアを交えながら天国の世界が描かれています。猫好きとしては「毛がハゲていた猫ちゃんが天国でかつおぶしをたくさん体に振りかけてもらう」というユニークなシーンが心に刺さりました。こうしたエピソードを描かれた背景には、どんな想いがあったのでしょうか。

中山有香里さん(以下、中山):子どもの頃に見かけた頭の毛がハゲた野良猫が、ずっと心の奥に残っているからです。その子は頭だけでなく、体もところどころハゲていました。

子どもだった私は何もできず、見かけるたびに逃げられていましたが、もしあの子が天国に行ったら毛がハゲてしまった部分をどうにかしてあげたいな、と思って。どうせなら、猫が喜んでくれそうなかつおぶしをいっぱいに振りかけて、ふわふわの毛で生まれ変わってほしいなと思ったんです。

――素敵な優しさですね。天国は想像が色々膨らむ場所だからこそ、温かい場所であってほしいですよね。今は亡き中山さんの愛犬たちには、天国でどのように過ごしていてほしいと思われていますか。

中山:死後の世界がもしあるのなら、愛犬たちには温かい場所で寝ていたり走り回ったりと楽しく過ごしていてほしいです。私のことは、待っていなくてもいい。でも、いつか会えたときには、ほんのちょっとだけでいいから撫でさせてもらえたら嬉しいです。

――そういう願いを持っていると、いつか訪れる死への恐怖心が少し和らぎますよね。死と生を考えるきっかけもくれる本作、ご自身はどのような人に届いてほしいと思われていますか。

中山:死は全ての人が経験することなので、老若男女問わず多くの人に届いてほしいです。ただ、身近な人などの死を受け入れることは難しく、受け入れるにしても、その人にとってのタイミングがあると思うので、「あなたのタイミング」で手に取っていただきたいです。

中には、死を受け入れることができない人もいらっしゃるかと思いますが、それはそれでいいと思っています。本作が少しでも癒やしや助けになったら嬉しいです。

取材・文=古川諭香

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