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「ちょっと待って、割引券を探すから」時間がかかってしまった会計。だが、後ろの客がかけた言葉で空気が一変

  • 2026.8.26
「ちょっと待って、割引券を探すから」時間がかかってしまった会計。だが、後ろの客がかけた言葉で空気が一変

会計の途中で、前の客の手が止まりました

仕事帰りにコンビニへ寄り、レジの列に並んでいたときのことです。夜も遅い時間で、店内にいる客はそれほど多くありませんでした。

私の前に並んでいた人も、ごく普通に商品をレジへ出していました。

店員がかごの中身をすべて通し、あとは支払うだけというところで、その人の手が止まりました。

財布の中を何度かのぞき込み、店員に言いました。

「ちょっと待って、割引券を探すから」

「はい、大丈夫ですよ」

店員はそう答えて待っていました。

ところが、目当ての券はなかなか見つかりません。その人は財布の仕切りを一つずつ確認し、今度は上着のポケットにも手を入れました。

「あれ……入れたと思ったんだけどな」

最初は落ち着いていた手つきも、だんだん速くなっていきました。同じ場所を何度も見直しているので、本人もかなり焦っているようでした。

その間に、私の後ろにも何人か客が並び始めました。

ただ、誰も文句を言ったり、急かしたりはしません。それでも後ろの列が伸びていることに気づいたのか、その人は何度も振り返りながら財布を探していました。

「急いでないので、ゆっくり探してください」

すると、私のさらに後ろに並んでいた客が声をかけました。

「大丈夫ですよ。急いでないので、ゆっくり探してください」

責めるような言い方ではなく、本当に何でもないことのような穏やかな声でした。

店員も続けて、「こちらも大丈夫ですから、ゆっくりでいいですよ」と声をかけます。

探していた人は一度手を止め、少しほっとしたような顔をしました。

「すみません。ありがとうございます」

そう言ってもう一度財布を確認すると、今度は奥のほうから目当ての券が出てきました。

「あ、ありました」

会計はすぐに終わりました。商品を受け取ったその人は、レジを離れる前にこちらを振り返ります。

「お待たせして、すみませんでした」

声をかけた客が「いえいえ」と笑って返し、近くにいた人も軽く会釈をしていました。

そのあと私の番になり、いつも通り会計を済ませて店を出ました。

私自身は、ただ列に並んで待っていただけです。それでも、誰かが焦っているときに急かすのではなく、「大丈夫ですよ」と一言伝えるだけで、その場の空気はずいぶん変わるものなのだと思いました。

ほんの数分の出来事でしたが、なんとなく気持ちよく帰れた夜として、今でも覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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