1. トップ
  2. エピソード
  3. 「交換してもらいたいんだけど」レジでいら立った様子を見せる客。だが、無茶な要求に思わず責任者を呼んだ

「交換してもらいたいんだけど」レジでいら立った様子を見せる客。だが、無茶な要求に思わず責任者を呼んだ

  • 2026.8.24

「昨日ここで買った」と言う男性客

土曜の夕方、私が働く家電量販店のレジには長い列ができていました。会計を続けていると、六十代くらいの男性が細いケーブルを手に、列の横からこちらへ近づいてきました。

「ちょっといい?昨日ここで買ったんだけど、これ使えないんだよ。交換してもらいたいんだけど」

少しいら立った様子でしたが、私はいったん会計を止め、レシートを見せてもらいました。

ところが、そこに印字されていた購入日は三週間ほど前。さらに店舗名も、私が働いている店ではなく、隣町にある別の系列店になっていました。

「お客様、こちらを確認すると、購入日は三週間前になっています。それと、購入された店舗もこちらではないようです」

そう伝えると、男性は眉を寄せ、レシートをのぞき込みました。

「いや、昨日だよ。昨日ここで買ったんだって。ちゃんと覚えてるから」

「そうでしたか。ただ、このレシートには別の店舗名が印字されていまして……」

説明しようとすると、男性の声が少しずつ大きくなっていきました。

「だから、そんなこと言われても困るんだよ。使えないんだから、交換してくれればいいだろ」

周囲のお客様の視線が集まり始めます。入社二年目だった私は、何と説明すれば納得してもらえるのか分からなくなっていました。

「すみません、私だけでは判断できないので、責任者を呼びます」

すると男性は、少し強い口調で言いました。

「じゃあ早く呼んでよ!」

店長と一緒にレシートを見直すと

ほどなくして店長が来ました。男性の話を途中で遮ることなく聞いたあと、店長はレシートを手に取りました。

「昨日こちらで購入された、ということですね」

「そう。なのに、この人が違う店で買ったって言うんだよ」

「分かりました。では、いったん一緒に確認させてください」

店長はそう言って、レシートの日付を指しました。

「購入日はこちらです。それから店舗名は、この店ではなく別の店舗になっています」

男性は黙ってレシートを見つめました。

店長は責めるような言い方をせず、続けました。

「交換をご希望とのことですが、このレシートでは、昨日当店で購入されたことが確認できないんです。購入された店舗に確認していただくのが確実だと思います」

「……じゃあ、こっちでは分からないってこと?」

さっきまでの勢いが少し弱くなっていました。

「はい。このレシートの商品については、まず購入店舗へお問い合わせいただけますか」

男性はもう一度日付と店舗名を見てから、小さく息を吐きました。

「分かった。じゃあ、そっちに聞いてみるよ」

ケーブルとレシートを持つと、そのまま店を出ていきました。

強く言い返すことだけが対応ではなかった

男性が離れたあと、私はようやく肩の力が抜けました。

店長は私に、「最初にちゃんとレシートを確認できていたから大丈夫。こういうときは、一人で抱えなくていいからね」と声をかけてくれました。

私はそれまで、強い口調で言われると、何とか自分だけで納得してもらわなければと思っていました。

でも、相手に言い返す必要はありません。確認できるものを一緒に見て、できることとできないことを落ち着いて伝える。その大切さを、この日の店長の対応から学びました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ