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鏡の前で「あら、まだいける」84歳・高橋恵さん流、美容院で背筋が伸びる“自分へのエール”

  • 2026.8.22

鏡の前で「あら、まだいける」84歳・高橋恵さん流、美容院で背筋が伸びる“自分へのエール”

「もう歳だから」とあきらめるより、今日という日を機嫌よく、軽やかに楽しみたい。そんな生き方を実践しているのが、84歳の高橋恵さん。その暮らし方や考え方には、毎日を楽にするヒントがたくさんあります。新刊『84歳、「ま、いいか」で人生うまくいく』(あさ出版)から抜粋してご紹介する第2回は、歳を重ねるほど、心が若くなる実感!

歳を重ねるほど心は若返る

私はよくみなさんに、「歳を重ねるほど、心は若返るものなのよ」とお伝えしています。

そう言うと、「またまた」と笑われるのですが、これ、本当なんです。

実際に、60代のころよりも80代のいまのほうが、ずっと心は自由ですし、発想もやわらかくなって、「ま、いいか」と受け止められることがぐんと増えました。

年齢は増えているのに、不思議と気持ちは軽くなっていくのです。

白髪は増えましたが、それはご愛嬌。

いまの時代、髪は染めれば若く見えます。

でも、心はそうはいきません。「内面カラーリング」なんてありませんから。

自分の内側で、コツコツ育てていくものです。

だからこそ、心の若さには限りがありません。

最近の私は、まるで子どもに戻ったようで、「ちょっと若返りすぎたかしら」と自分で笑ってしまいます。

若いころは、感情のままに泣いたり喜んだり、毎日が大忙しでした。

それも元気な証拠ですが、いま思えば、なかなかの大騒ぎです。

歳を重ねたいまは、少し離れたところから自分を見て、「また怒ってるわね」とツッコミを入れられるくらいになりました。

つらいことも悲しい別れも、まずは受け止める。

そして時間をおいて、だんだん軽くしていく。

そうやっているうちに、気がつけば笑い話になっていることも多いんです。

歳とともに、体は確かに変わっていきます。

階段をのぼるのは少し時間がかかるようになったけど、その分、心は軽く、しなやかになっていきます。

最近は少し耳も遠くなりましたが、「都合よく聞こえなかったことにする」という特技も身につきました(笑)。これ、なかなか便利なんですよ。

年齢は正直でも、心は気分次第。いくらでも若くいられます。

私は特別な人間ではありません。

背も低く、体型も立派で、何でも人よりゆっくりです(行動は早いですが……)。

だからこそ、まわりの方が助けてくださるのだと思います。

それでも不思議と人が集まってくるんです。

思い当たるのはただひとつ。

誰にでも同じように、にっこり笑って接していることくらいでしょうか。

人生は、うまくいくことよりも、軽やかでいられることのほうが大切です。

年齢は重ねるもの。
心は軽くするもの。

「ま、いいか」と言えた分だけ、人は楽に、そして幸せになっていくのだと思います。

歳を重ねるほど、心は若返る。

そのことを、私はこの人生でしみじみ実感しています。

病院より美容院

私は10年ほど前まで、血圧や心臓の薬をいくつも飲んでいました。

定期検診でも異常があると言われ、気がつけば薬はどんどん増えていく。

お薬ケースも、だんだん立派な重さになっていきました。

ただ、薬を飲むと体調がすぐれないこともあって、「このままでいいのかしら」と考えるようになったのです。

そこで私なりに出した答えが、「自分の体とどう付き合うか」でした。

そして生まれたのが、「病院より美容院」という、ちょっとした合言葉です。

同じ「びょういん」でも、「びよういん」のほうが、なんだか気分が上がりますでしょ?

美容院に行って髪を整えてもらうと、鏡の中の自分が少し若返ったように見える。

「あら、私まだいけるじゃない」

そうすると背筋もすっと伸びて、「よし、今日もがんばっていこう」と気持ちまで整ってくる。

不思議なもので、「きれいでいたい」と思うと、食事にも少し気をつけるようになります。

甘いものも控えめに……と言いたいところですが、手土産のお菓子は別です。

これはもう、いただいた方への礼儀ですからね。

もちろん、健康はとても大切です。

お薬のことも含めて、体のことはお医者さんやご家族と相談しながら、自分に合った形を選ぶのがいちばんです。

ただ私は、できるだけ明るい気持ちで毎日を過ごしたい。

だからこそ、「病院より美容院」と言って、笑っていたいんです。

歳を重ねると、あいさつも変わってきます。

「元気だった?」
「体は大丈夫?」

そんな会話が増えて当たり前です。

そんなとき私は、にっこりしながらこう言います。

「この歳まで来たら、楽しんだもの勝ちよ。病院より美容院よ!」と、ウインクをしています。

小さな「ょ」と大きな「よ」。それだけの違いで、気分はずいぶん変わるものです。

私は、いくつになっても美容院できれいになったあと、颯爽と外に出ていく人でいたい。

年齢を言い訳にせず、少しでもきれいに、少しでもかっこよく。

それは見栄ではなく、自分へのエールなんです。

私は、若いころのハイヒールを、いまでも履いています。

外では娘に止められるので、家の中で10分だけ。「危ないからやめて」と言われながら、こっそり履いています。

でもこれが、なかなかいいんです。

背筋がすっと伸びて、気分もシャキッとする。

84歳でハイヒール。ちょっとした冒険ですが、悪くありません。

歳を重ねたからこそ、楽しむ覚悟を持つ。

「病院より美容院」という言葉には、そんな気持ちを込めています。

今日を、少しだけ気分よく過ごす。

鏡の前で「あら、まだいけるいける」と声をかけてみる。

角度を変えれば、「結構いいじゃない」と思えたりもします。

誰もいないのをいいことに、鼻歌まで出てきたりして。そんなふうに、自分で自分の機嫌をとりながら過ごしていく。

それだけで、毎日は少し明るくなるんです。

※この記事は『84歳、「ま、いいか」で人生うまくいく』高橋恵著(あさ出版刊)の内容をウェブ記事用に再構成したものです。

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