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「愛する人のすべてを知りたい」は本当に幸せ?地獄のウェディングロマンス『ドラマなふたり』

  • 2026.8.22

パートナーや友人と語りたくなる一本

© 2026 Dramatic Movie Rights LLC. All Rights Reserved.

恋愛映画を観ていると、「相手のことをもっと知りたい」という言動に疑問を抱くことはほとんどない。むしろ、それは愛情の証のように描かれることが多い。しかし『ドラマなふたり』は、その当たり前をひっくり返す。

主人公は、結婚式を7日後に控えた理想のカップル、チャーリー(役/ロバート・パティンソン)とエマ(役/ゼンデイヤ)。誰もが羨む関係を築いていた二人だが、友人夫婦との食事中に始まった“これまでで最悪の過ちを告白するゲーム”をきっかけに状況は一変する。エマが明かしたある秘密によって、チャーリーは自分が愛していた相手の姿を見失い、関係は音を立てて崩れ始める。

設定だけを聞くとスリラーのようだけど、終始ユーモアを忘れない。笑っていたはずなのに、気づけば愛の本質を突きつけられている。愛とは相手のすべてを受け入れることなのか。もし、自分が知らなかった過去や価値観を知ってしまったら、それでも同じように愛せるのか。映画はそんな問いを観客へ投げかけ続ける。

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ゼンデイヤとロバート・パティンソンの相性も抜群。運命的な出会いから結婚を誓うまでの幸せな時間、そしてたったひとつの秘密によって少しずつ変化していく関係性を説得力たっぷりに見せてくれる。特にゼンデイヤ演じるエマは、奔放で魅力的に見える一方で、どこか危うく、幼い頃の傷を抱えた人物として描かれ、そのアンバランスさが強く印象に残る。

また、A24作品らしくビジュアル面も魅力的。ボストンやケンブリッジの街並み、美術館の洗練された空間、結婚式へ向けた華やかな準備風景。そのロマンティックな世界観があるからこそ、ふたりの間に生まれる違和感や不穏さがより際立って見える。観ているこちらも幸せなラブストーリーを期待している分、その均衡が崩れ始めた瞬間の居心地の悪さがたまらない。

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相手のすべてを知ることは本当に愛なのか。それとも知らないままの方が幸せなのか。ラブストーリーの形を借りながら、愛の本質に鋭く切り込んだ一本。笑いと不穏さが絶妙なバランスで同居し、観客を翻弄し続けるその手腕は見事というほかない。

【8⽉21⽇(⾦)公開】映画『ドラマなふたり』

© 2026 Dramatic Movie Rights LLC. All Rights Reserved.

監督・脚本/クリストファー・ボルグリ

製作/ラース・クヌードセン、アリ・アスター

出演/ゼンデイヤ、ロバート・パティンソン 、アラナ・ハイム、ママドゥ・アティエ、ヘイリー・ゲイツほか

配給/ハピネットファントム・スタジオ

happinet-phantom.com/drama

TEXT=南雲凛子

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