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「新NISAなら非課税だから…」退職金700万円を投資した60代男性→3年後、母の介護をきっかけに発覚した“想定外の大誤算”

  • 2026.9.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

退職金は貯蓄ではなく新NISAで運用しようと計画している方もいるのではないでしょうか。

今回ご紹介する63歳の男性・Bさんは、退職金を新NISAで運用するのがベストと考えていましたが、「失敗だったかもしれない」と後悔する結果となってしまいました。

新NISAで運用すれば安心のはず

Bさんは勉強熱心なタイプで、現役のときから退職金は新NISAで運用しようと投資の勉強をしていたそうです。

60歳の定年となり、もらった退職金は1,000万円。300万円で車を買い替え、残りは計画どおり新NISAで運用することに。

毎年、成長投資枠を使い、3年間で残った退職金700万円をすべて新NISAにまわしました。

「新NISAなら、売却益や配当金も非課税だから」と保有株が下がってもあせらず、売却益が出るタイミングで売ればいいだろうと気長に考えていたといいます。

実際にBさんの保有株の価値は年々下がっていましたが、長期保有を前提にしていたので落ち着いていました。

介護費用で500万円の出費

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

80代の母が要介護状態となり、老人ホームへの入居が必要となったのはBさんが63歳のときでした。

他に兄弟や頼れる親戚もいなかったことから、Bさんが入居一時金や介護費用として500万円を用意することに。

「いま売ってもマイナスなんだけどな…」

手元にまとまったお金がなかったことから、新NISAで保有していた株を売却するしかありませんでした。

「生活費は年金で足りるから、退職金はすべて投資にまわしても問題ない」と考えていたことが間違いであったと、そのときはじめて気づいたそうです。

「損失は繰り越せると思っていたのに」

相場が下落しているタイミングで売却することになり、100万円の損失が出てしまいました。

そこで「投資で損失が出た場合は3年間、損失が繰り越せるんだったな」と考え、税理士に相談に行くことにしました。

「新NISA口座で運用した場合は、利益が非課税という恩恵があります。しかし、マイナスになっても損失を繰り越すことはできません。それに、新NISAで生じた損失は、課税口座で出た利益と相殺する『損益通算』もできないんですよ」

新NISAは利益が非課税になる一方、損失が出たときには税金面で救済されないという特徴があるのです。

「長期保有を前提にしていたから、損をしたときのことを考えていませんでした」と悔やむBさん。

不測の事態にそなえて

新NISAは利益が出ても非課税ですが、あくまで投資。損をすることは当然あります。

長期保有を前提にして利益が出るまで保有するという計画が悪いわけではありません。

長期保有計画を破綻させないために、突然の出費にそなえて、一部は現金として残しておくのが大切です。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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