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20年払った保険を解約→返戻金“830万”を受け取った50代男性 「得をした気分」と喜ぶも…翌年、税務署で告げられた“思わぬ一言”

  • 2026.9.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、20年続けた終身保険を解約した50代のAさんの体験談です。

「払い込んだお金が戻るだけだから、税金は関係ないはず」

そう思っていたAさんでしたが、翌年に確定申告が必要だと知ります。解約返戻金にかかる税金を、解約する前に確かめる方法をご紹介します。

「毎月3万円が重い」と感じていた

Aさんは50代男性の会社員です。30代のころに終身保険に加入し、毎月3万円の保険料を20年間払い続けてきました。払い込んだ保険料の総額は、およそ720万円です。

契約者はAさん本人で、保険料もAさん自身が負担してきました。解約した場合の返戻金も、Aさんが受け取る契約です。

Aさんの給与収入は年間700万円ほど。勤務先は1社だけで、年末調整も済んでいます。給与以外に収入はありませんでした。

「毎月3万円の保険料が重い。子どもも大きくなったし、もう解約してもいいかな」

子どもの大学進学で教育費がかさみ、家計に余裕がなくなってきたAさんは、保険会社の窓口で解約を申し出ました。

受け取った解約返戻金は830万円。これまでに払い込んだ720万円を110万円上回っています。

「払い込んだ金額より増えて戻ってきた」

Aさんは、少し得をしたような気持ちになっていました。

「一時所得になります」と言われた

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

年が明けて、Aさんは保険会社から「支払調書」の控えが届いていることに気づきます。

税務署に問い合わせると、担当者はこう説明しました。

「契約者と、実際に保険料を負担された方、そして解約返戻金を受け取られる方がいずれもご本人であれば、一時所得として扱われます」

一時所得は、受け取った金額から払い込んだ保険料を差し引き、そこからさらに特別控除50万円を引いて計算します。課税の対象になるのは、その半分です。

「Aさんの場合、830万円から720万円を引いて110万円。そこから50万円を引いて60万円です。その半分の30万円が、給与などほかの所得と合わせて、税金の計算に加わります」

「110万円しか増えていないのに、確定申告が要るのですか」

Aさんは驚いた様子で尋ねました。

解約返戻金に利益が出たら、申告は必要?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

もっとも、利益が出たら必ず申告が必要になるわけではありません。

1か所から給与を受けて年末調整を済ませ、給与収入が2,000万円以下で、ほかに給与や退職金以外の所得がない方の場合、その所得が20万円を超えるかどうかが目安になります。Aさんはこの条件にあてはまり、総所得金額に加わるのは30万円ですので、基準を超えていました。

仮に利益が90万円までであれば、特別控除50万円を引いて半分にすると20万円以下となり、所得税の申告は不要になる計算です。ほかに一時所得があるときは合算して考えます。

なお、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。

注意したいのは、保険料を負担した人と受け取る人が違う場合です。

たとえば夫が保険料を負担し、妻が解約返戻金を受け取ると、贈与税の対象になり得ます。判断のポイントは、誰が実際に保険料を負担してきたかです。保険料の引き落とし口座は、その保険料負担者を確認するうえで重要な資料になります。

「妻名義の契約も同じように解約するつもりでした」

妻名義の契約は保険料をAさんが払っていたため、いったん止めることにしました。

解約する前に、税金の面から確かめておきたいこと

家計が苦しいときに保険料を見直すこと自体は、間違いではありません。ただ、解約返戻金は戻ってくるお金であると同時に、税金の対象となるお金でもあります。

まず、これまでに払い込んだ保険料の合計と、解約返戻金の額を比べてみてください。返戻金のほうが多ければ、その差額が一時所得の計算のもとになります。

次に、保険料を実際に負担してきた人と、解約返戻金を受け取る人が同じかどうかです。同じであれば所得税、違えば贈与税の対象になり得ます。

そのうえで、申告が必要かどうかを確かめます。先ほどの条件にあてはまる給与所得者であれば、差額から特別控除50万円を引いて2分の1にした額が、20万円を超えるかどうかがひとつの目安です。

解約返戻金が100万円を超える場合、保険会社から税務署へ支払調書が提出されます。受け取った金額は、税務署にも伝わっていると考えておきましょう。

解約を決める前に、受け取れる金額だけでなく、税金がどのくらいかかるのかも確認しておくと安心です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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