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「桁を間違えているのでは…」収入保障保険に加入した45歳男性、保障額は3,000万円のはずが…18年後に待っていた“想定外の事態”

  • 2026.9.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内生命保険会社に35年間勤務し、営業・営業所長・企画・事務など幅広い業務を経験してきた「あしふみ」です。

生命保険に加入したとき、多くの人は「これで家族に○○万円残せる」という安心感を得ます。しかし、その保障額は契約の種類によって、時間とともに大きく姿を変えることがあります。

とりわけ注意が必要なのが「収入保障保険」です。万一のときに毎月一定額を受け取れる仕組みですが、死亡する時期によって受取総額がまったく違ってくるという特徴があります。

今回は、63歳になって初めて契約内容を見直し、「思っていた保障額とまるで違う」と驚いた男性・Aさんの実例を紹介します。個人が特定されないよう、内容の一部は変更しています。

「3,000万円くらい残せる」と信じていた45歳のAさん

Aさん(仮名・63歳)が収入保障保険に加入したのは45歳のとき。当時は妻と、まだ幼い子どもがいました。

「自分に万一のことがあったとき、生活費や教育費はどうなるのか」

そう考えたAさんが選んだのは、65歳までの間、家族が毎月15万円を受け取れるタイプの収入保障保険でした。

加入時点で満了まで残り20年。Aさんの頭の中では、こんな計算が働いていました。

15万円×12か月×20年 = 約3,600万円

「もし今何かあっても、家族には長期間お金が入り続ける。3,000万円くらいの保障は用意できたはずだ」
そんな感覚のまま、子どもは成長し、18年という歳月が過ぎていきました。

63歳で確認して分かった「残りの保障」は月15万円×2年

老後の生活設計を整理しようと、久しぶりに契約内容を確認したAさん。そこで直面したのが、収入保障保険という商品の本質的な仕組みでした。

Aさんの契約満了年齢は65歳。つまり63歳の時点で、残りの保障期間はわずか2年です。

15万円×24か月 = 約360万円

かつて思い描いていた「3,000万円」とは、実に一桁違う金額でした。

「3,000万円くらい残せると思っていたのに、あと360万円にしかならないなんて…桁を間違えているのでは…」

Aさんの中では、加入したときのイメージがそのまま20年近く固定されたまま残っていたのです。

なぜこんな“想定外”が起きるのか。収入保障保険の仕組み

一般的な定期保険は「死亡保険金3,000万円」のように、契約期間中はいつ亡くなっても同じ金額が支払われる設計が多く見られます。

一方、収入保障保険は「毎月15万円を65歳まで」という形で保障される商品です。そのため、

  • 45歳で万一のことがあった場合 → 残り20年分を受け取れる
  • 63歳で万一のことがあった場合 → 残り2年分しか受け取れない

同じ契約でも、死亡した年齢によって受取総額は大きく変わります。

これは「欠点」ではなく「設計思想」

とはいえ、これは商品としての欠陥ではありません。

子どもが小さいうちは大きな保障が必要でも、成長し独立すれば、必要な生活費・教育費は自然と減っていきます。収入保障保険は、「年齢とともに必要保障額が減っていく家庭の実情」に合わせやすい設計だとも言えるのです。

満了直前でも保障がゼロにならないケースもある

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

収入保障保険の多くは、死亡時から契約満了まで年金形式で受け取る「歳満了タイプ」です。このタイプには、受取回数について「最低保証期間」が設けられている商品もあります(保証内容は商品によって異なります)。

たとえば契約満了の直前に万一のことがあっても、一定期間分は年金を受け取れる仕組みが用意されている場合があります。

また、毎月受け取る「年金形式」だけでなく、まとめて受け取れる「一括受取」を選べる商品もあります。ただし一般に、一括受取を選ぶと毎月受け取る場合の総額より少なくなる傾向があります。

最低保証期間の有無や受取方法は商品ごとに異なるため、「収入保障保険なら必ずこうなる」と一概には言えません。自分の契約がどのタイプかを確認することが欠かせません。

大切なのは「加入時の記憶」ではなく「今いくら受け取れるか」

Aさんの場合、63歳の時点では子どもはすでに独立し、住宅ローンもほぼ完済していました。45歳当時に比べれば、大きな死亡保障の必要性そのものが下がっていたとも言えます。

つまり、保障額が減っていたからといって、必ずしも「保険が足りない」というわけではありません。

本当に大切なのは、加入時に抱いていた印象ではなく、

「今、自分に何かあったら、家族はいくら受け取れるのか」

を確認することです。これは保険証券や「契約内容のお知らせ」、保険会社の契約者向けマイページなどで確認できる場合があります。

長年同じ保険を続けている人ほど、加入時の記憶だけで「保障は十分だ」と判断してしまいがちです。「3,000万円くらいあるはず」と思っていた保障が、今はいくらになっているのか。一度確認するだけで、今の家族の状況に合っているかどうかを見直すきっかけになるはずです。


※収入保障保険の保険期間、最低保証期間、年金月額、一括受取の可否や金額などは、保険会社・商品・契約時期によって異なります。詳しくは保険証券や約款、「ご契約のしおり」などをご確認ください。

執筆・監修:あしふみ
 大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

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