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高校に進学した息子→「高校無償化だから安心」26年4月からの制度に喜ぶが…入学後、40代母に突きつけられた“予想外の出費”

  • 2026.9.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小泉です。「授業料が安くなるなら、高校の教育費もかなり抑えられる」そう考えてしまう方も多いのではないでしょうか? 制服や教材、通学費、部活動など、高校生活には授業料以外にもさまざまなお金がかかります。

今回は、「高校無償化だから安心」と考えていた母親が、家計を見直す中で気づいた“想定外の教育費”と、支援制度を踏まえて確認しておきたいポイントを紹介します。

高校の授業料への支援が拡充されるなら、教育費は少し安心できそう

42歳女性のAさんは、高校1年生になった息子の教育費について、そう考えていました。

2026年4月から、高等学校等就学支援金制度が改正され、所得制限が撤廃されました。私立高校の全日制では、支給限度額も年額45万7,200円に引き上げられています。国公立についても、所得制限が撤廃され、授業料相当額の支援が行われます。

「これなら、今まで教育費として準備していたお金の一部を、大学進学費用に回せるかもしれない」Aさんは、そんな期待を抱いていました。

ところが、高校生活が始まってしばらくすると、家計から出ていくお金は授業料だけではないことに気づきます。制服や教材、通学に関する費用、学校行事、部活動など、家庭によってさまざまな支出が発生します。

「授業料への支援があることと、高校生活にお金がかからないことは、同じじゃないんだ……」

Aさんが家計表を見直すきっかけになった瞬間でした。

「高校無償化」という言葉だけで家計を組む危うさ

そもそも「高校無償化」という言葉には注意が必要です。

文部科学省も、正確には授業料を支援する「高等学校等就学支援金」と説明しています。

つまり、支援の中心となるのは授業料です。高校生活にかかるすべての費用が無料になる制度ではありません。

例えば、文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」では、高校(全日制)の学習費総額は、公立で年間59万6,954円、私立で年間117万9,261円でした。ただし、この「学習費総額」には学校教育費だけでなく、塾や家庭教師などの学校外活動費も含まれています。そのため、「高校では授業料以外に公立なら年間約60万円、私立なら約118万円かかる」と単純に考えることはできません。

重要なのは、授業料への公的支援と、それ以外の家庭の教育費を分けて考えることなのです。

授業料以外にも支援制度はある。それでも「全部安心」ではない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

さらに注意したいのが、「授業料以外はすべて家庭で負担する」という理解です。

これも正確ではありません。

文部科学省には、教科書費や教材費など、授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」があります。返還不要の給付金ですが、対象となる世帯には要件があります。2026年度からは対象が拡充され、中所得層(年収約490万円程度)の世帯まで対象が拡充されました。ただし、実際の対象要件や給付額、申請方法などは都道府県によって異なります。

つまり、「授業料は支援されるから、高校のお金はほとんど必要ない」という考え方も、

「授業料以外は全部自腹」という考え方も、どちらも正確ではありません。

Aさんはここで、家計の見方を変えました。

 「支援される金額」ではなく「3年間で必要なお金」を見る

高校1年生の4月から卒業する3月まで、そして高校2年生、高校3年生。Aさんは、まず3年間の支出を洗い出すことにしました。例えば、毎月の通学費が8,000円なら年間9万6,000円。これが3年間なら28万8,000円です。部活動や教材などについても、学校から実際に案内された金額を確認し、年間単位で整理しました。

さらに大学進学を予定しているため、高校3年生の1年間については、大学受験に伴う費用も別に考えることにしました。

「高校の授業料への支援額だけを見て安心するんじゃなくて、実際にわが家から出ていくお金を見ないといけないんだ」

そう気づいたのです。

教育費を考えるときに大切なのは、「高校無償化だから安心」と一括りにすることではありません。

  • 授業料についてどのような支援を受けられるのか
  • その一方で、授業料以外にどのような費用が必要なのか
  • そして、利用できる支援制度について、申請が必要なのか、いつまでに手続きするのか

この3つを分けて確認することです。

2026年度から高校の授業料支援は大きく拡充されました。だからこそ、その制度を「高校にかかる教育費がすべて無料になる制度」と誤解せず、支援される費用と家庭で準備する費用を分けて考える。

Aさんが家計を見直して気づいたのは、そんな当たり前のようで見落としやすいポイントでした。


参考:
高等学校等就学支援金制度に関するQ&A(文部科学省)

執筆・監修:小泉@社労士ライター
20年以上の社労士経験を通じて、多くの相談者から「こんな制度があるとは知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」という声を聞いてきた経験から、専門知識を、必要とする人に、正しく、わかりやすく届けることを大切にしている。社会保険・労働保険、公的年金をはじめ、暮らしや仕事に関わる制度について、専門家としての正確性と、生活者目線のわかりやすさを両立した情報を執筆・発信。保有資格は、社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士など。

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