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私大に進んだ息子。月8万で奨学金を借りることに→「これで大学費は何とかなる」はずが…4年後、50代親を襲った“想定外の誤算”

  • 2026.9.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「奨学金を借りられれば、ひとまず大学費用のやりくりは何とかなるだろう」

進学時の膨大な出費を前に、そのように考えるご家庭は珍しくありません。しかし、貸与型奨学金は卒業後に子ども自身が返還していくお金です。社会人生活をスタートさせた直後の手取りから毎月決まった額が引き落とされる重みは、想像以上に大きな負担となります。

今回は、月8万円の奨学金を借りて私立大学へ進学したものの、卒業後の返還で生活が圧迫されてしまったある親子の事例をご紹介します。返還まで見据えた資金計画の重要性を見ていきましょう。

「月8万円」で安心のはずが…4年後に見えた384万円の重み

50代のAさん夫婦には、私立大学に進学した長男がいます。入学時には、入学金や前期授業料で約90万円、パソコンや教科書代で約25万円、引っ越しや家具家電で約45万円がかかり、春だけで約160万円が必要になりました。

長男は自宅から通えない大学だったため、一人暮らしを開始。家賃は月6万5,000円、食費や光熱費を含めると生活費は月12万円ほどです。Aさん夫婦は月8万円を仕送りする予定でしたが、住宅ローンが月11万円、下の子の塾代が月3万円あり、家計に余裕はありません。

そこで長男は、貸与型奨学金を毎月8万円借りることにしました。1年で96万円、4年間で384万円です。Aさんは「これで大学費用は何とかなる」と安心していました。

しかし卒業後、長男の手取りは月22万円ほど。家賃7万円、食費4万円、光熱費1万5,000円、通信費1万円、日用品や保険料で2万円。さらに地方勤務で車が必要になり、車のローンやガソリン代、駐車場代などで月3万〜4万円ほどかかりました。

そこに奨学金の返還が始まります。毎月の返還額は約1万6,000円。金額だけ見ると払えそうでも、毎月必ず出ていく固定費です。長男は「手取り22万円あるのに、ほとんど残らない」と感じるようになったそうです。

Aさん夫婦も、「在学中の支払いを乗り切ること」と「卒業後に無理なく返すこと」は別問題だったと気づいたのです。

返還開始は、社会人生活がまだ安定しない時期にくる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

奨学金は進学を支える大切な制度です。ただし、貸与型の場合は、原則として「借りた本人が返すお金」として考える必要があります。

見落としやすいのは返還開始の時期です。就職直後は、家賃、引っ越し費用、家具家電、通勤費、車の購入費などが重なりやすくなります。

たとえば手取り22万円から、家賃7万円、生活費8万5,000円、車関連費3万5,000円、奨学金返還1万6,000円を差し引くと、残りは1万4,000円ほどです。交際費や医療費が出れば、貯金はほとんどできません。

日本学生支援機構の例では、第二種奨学金で月5万円を4年間借りた場合、貸与総額は240万円となり、適用利率によって毎月の返還額も変わります。借りる月額が増えれば、卒業後の負担も重くなります。

また、国の教育ローンは主に保護者が借りて返すもの、貸与型奨学金は原則として学生本人が借りて本人が返すものとして考えるのが一般的です。国の教育ローンは、子ども1人につき上限350万円まで、一定の要件に該当する場合は上限450万円まで借入可能とされています。

借りる前に親子で返還シミュレーションを

貸与型奨学金は進学を後押しする有効な制度である一方、社会人生活のスタートと同時に長期間にわたる固定費の返還負担が発生する点に注意が必要です。

就職直後は家賃や生活費に加え、車関連費などの初期費用も重なりやすいため、在学中のやりくりだけで安易に借り入れ額を決めてしまうと卒業後の子供の生活を圧迫することになりかねません。

借り入れを検討する際は、総額や毎月の返還額、親からの援助範囲などを事前に可視化し、返還開始後の生活設計まで親子でしっかりと話し合ったうえで利用を判断しましょう。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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