1. トップ
  2. “北欧ミニマル”だけじゃない! コペンハーゲン・ファッションウィークの個性豊かな注目14ブランド

“北欧ミニマル”だけじゃない! コペンハーゲン・ファッションウィークの個性豊かな注目14ブランド

  • 2026.8.20
Hearst Owned

Hej! 2026年8月3日(月)〜7日(金)に開催されたコペンハーゲン・ファッションウィーク(以下、CPHFW)に参加してきました。暑さが苦手な私にとって、夏の北欧は最高の避暑地。そして今年は、CPHFWが誕生して20周年という記念すべきシーズン! 今や世界有数のトレンド発信地として注目を集めるコペンハーゲンですが、ここまでの道のりは実にユニークなものでした。まずはその20年を少し振り返りながら、現地で見つけた注目ブランドをお届けします。

「スカル スタジオ」2027年春夏コレクションより Hearst Owned

CPHFWがスタートしたのは2006年。当初は北欧のブランドを世界へ発信するための場という色合いが強かったものの、大きく変わり始めるのが2010年代。「ガニー」や「セシリーバンセン」といったブランドが国際的な注目を集め、それまで“ミニマル”という言葉でひとくくりにされがちだった北欧ファッションに、色やプリント、フェミニニティ、遊び心という新たなイメージをもたらします。

「ハースキンド」2027年春夏コレクションより Hearst Owned

もうひとつの大きな転機が2018年。セシリエ・トースマークがCEOに就任すると、CPHFWはサステナビリティを大きな軸に据え、新作を“見せる場”から、ファッション産業の変革を促すプラットフォームへとかじを切ります。2020年に発表した「Sustainability Action Plan」では、公式スケジュールに参加するブランドに求める環境・社会的責任に関する最低基準を設定し、2023年から参加条件として本格導入。素材の選定や生産工程、労働環境からショーの制作方法まで、ファッションウィーク自らが明確なルールを設けるという画期的な試みでした。

CPHFWと「パンドラ」の共催による公式オープニングガラにて。 Hearst Owned

この基準はその後、ベルリンやロンドンをはじめとする他都市にも広がり、ファッションウィーク同士が連携しながら、業界全体のスタンダードを引き上げる動きへと発展しています。その勢いは数字にもはっきりと表れており、CPHFWによると、2006年と比べて売上高は24%増、輸出額は84%増。現在では、ファッションがデンマークの商品輸出全体の5%を占め、同国第3位の輸出品目にまで成長しています。

「パンドラ」の新作チャームコレクション Hearst Owned
淡水パールを用いた新作コレクション Hearst Owned

そんな20年の節目に迎えた2027年春夏シーズンには、若手から実力派、国外から集まった気鋭ブランドまで34のショー&プレゼンテーションがラインナップ。私が最初に向かったのは、CPHFWの公式スポンサーであり、デンマーク発のジュエリーブランド「パンドラ」。ブランドを象徴する人気のチャームコレクションには新作が仲間入りし、自由に組み合わせて自分だけのスタイルを楽しめるよう提案します。

新作は、主に淡水パールを用いた愛らしい海の生き物をモチーフにしたデザインが中心。チェーンブレスレットをつなげてネックレスにし、そこへチャームをこれでもかとじゃらづけするスタイルが今っぽい! 日本での展開は限定的なようですが、旅先で出合えたらお土産に連れて帰りたいものばかり。

「タウス」2027年春夏コレクションより Hearst Owned

そんな「パンドラ」は、若手デザイナーの育成にも一役。CPHFWの若手支援“One To Watch”に選ばれた「タウス」をサポートしました。2024年にスタートした同ブランドは、クラフツマンシップを軸に、歴史的な要素を現代的な視点で再解釈する新鋭ブランド。プレゼンテーションで披露したコレクションには、「パンドラ」のジュエリーをデザインやスタイリングの一部として大胆に取り入れ、服とジュエリーを呼応させました。シルバージュエリーをパンキッシュに重ねたり、チャームを装飾のように服へちりばめたり。ブランドの垣根を越えた、意外性のある化学反応も印象に残りました。

「ステム」2027年春夏コレクションより Hearst Owned
「ステム」のドレスをレイヤードスタイルで着用しました。 Hearst Owned

「タウス」と並んで、今後を追いかけたい新進ブランドが「ステム」と「レネ」。CPHFW NEWTALENTに参加する「ステム」は、テキスタイルデザイナーが2021年に立ち上げたブランド。独自の織りや裁断によって生地を余すことなく服に仕立てる、ゼロウェイストのモノづくりが持ち味です。今季は「ガニー」から提供されたデッドストック生地を使い、レオパードやチェック、フローラルといった大胆な柄を一点物のルックへと再構築。サステナブル=ストイック、なんてイメージを軽やかに裏切ります。ブランドからのお言葉に甘えて、私も「ステム」のドレスを着用できたのも今回のうれしい思い出のひとつです。

「レネ」2027年春夏コレクションより Hearst Owned

“One To Watch”に選ばれたジェンダーレスブランド「レネ」は、設立4年目にして初のショーを開催。フィッシャーマンやワークウェアを着想源に、たっぷりとしたボリュームやひねりの効いたシルエットを描きます。日本やイタリア、デンマークから集めたデッドストックを使いながら、服をどこか彫刻的なフォルムへ。若手とひと口に言っても、出てくる服は三者三様。この振り幅の広さも、今のコペンハーゲンの面白さです。

会場では、ミュージシャンのグレース・アイヴスとコペンハーゲンの音楽グループ、ハロプラスによる“バンド対決”が繰り広げられ、約600人の観客を巻き込むライブ感たっぷりのショーに。服と音楽、ユースカルチャーがごちゃ混ぜになったカオスな熱気こそ、「パオリーナ ルッソ」の真骨頂です。

「キンレイデン」ジュエリーコレクションより Hearst Owned

ここからは少し視点を変えて、ジュエリーにフォーカス。「キンレイデン」は、建築家のサラ・ミュルフェルトが立ち上げたジュエリーブランドです。建築家ならではの構築的でミニマルなフォルムもさることながら、目を引くのがウッドを取り入れたジュエリー。希少な天然素材に代わるものとして木材に着目し、独自の加工によってモダンなピアスやリングへと昇華しています。木とは思えないほどシャープで洗練されたピースは、まるで身につける小さな建築物のよう。

「ラグハグ」ジュエリーコレクションより Hearst Owned

アフォーダブルなジュエリーをお探しの方は「ラグバグ」もチェック。アンティークジュエリーをほうふつとさせるタイムレスなデザインをベースにしながら、エッジの効いたフォルムが魅力です。最近はブラックオニキスやレッドタイガーアイといった天然石を取り入れたデザインも充実し、シンプルな装いのアクセントにぴったり。ヴィンテージショップで掘り出したようなムードがありつつ、今の服にもすんなりなじむ、そんなバランスも魅力です。

旧薬局を生かした「フラマ」のスタジオストア Hearst Owned
セルフケアのラインに新登場したソープバー Hearst Owned

最後は、北欧の“ヒュッゲ”なライフスタイルを体現する「フラマ」。コペンハーゲンを拠点に、家具や照明、インテリアからフレグランス、ボディケアまで、心地よい暮らしをつくるプロダクトを幅広く手がけるライフスタイルブランド。今季はセルフケアのラインに新たなソープバーがお目見え。コペンハーゲンを訪れたら、1878年創業の旧薬局を生かした「フラマ」のスタジオストアはマストで訪れるべきアドレス。

最終日、雨上がりの空に大きな虹が Hearst Owned

20周年を迎えたCPHFWを巡って改めて感じたのは、この街の魅力はランウェイの中だけでは完結しないということ。新しい才能を育て、サステナビリティの基準を世界へ広げる一方で、街に出れば自由なストリートスタイルがあり、ジュエリーやインテリア、日用品にまでデザインへのこだわりが息づいている。次の20年、この北欧の街からどんなスタイルや才能、そして新しいファッションのルールが飛び出してくるのか。早くも次のシーズンが楽しみです!

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ