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私を苦しめた人たちが、誰かの手によって次々と破滅していく――「見えない復讐者」の正体に戦慄する復讐ミステリー!【書評】

  • 2026.8.19

【漫画】本編を読む

『私の代わりに、誰かが復讐している モンスター』(佳岡花音:原作、高尾まこと:漫画/KADOKAWA)は、理不尽に追い詰められた女性の周囲で、不思議な復讐劇が巻き起こるミステリー漫画である。爽快な復讐劇ではなく、「一体誰が復讐しているのか」という謎が物語を動かしていく作品だ。

主人公の苅田香織は、ひとり息子を育てる36歳のシングルマザー。職場では上司からのパワハラとお局社員からの嫌がらせを受け、無責任な後輩に振り回され、そしてプライベートではママ友からのマウントに苦しめられていた。誰にも頼れず、心身ともに限界を迎えようとしていたある日、香織を苦しめていた人々に次々と不幸が降りかかる。上司の不正が発覚し、お局の秘密が暴かれ、ママ友のSNSは炎上する。一体誰が手を下しているのか。あまりにも自分にとって都合の良すぎる展開に香織は違和感を抱き始める。

「悪人が制裁される爽快感」にフォーカスした作品はたくさんあるが、望んでなく、ましてや何もしていないのに復讐が果たされていくというストーリーは珍しいだろう。自分を苦しめた人々が次々と破滅していく状況は、本当に偶然なのか。それとも誰かが香織の代わりに動いているのか。物語が進むほどに謎は深まり、真相を知りたくてページをめくる手が止まらなくなる。

また、本作で描かれるパワハラや職場いじめ、ママ友との人間関係は決して特別なものではないだろう。誰もが日常で直面しうる問題であり、香織の息苦しさには現実味がある。もし今同じようなことで苦しんでいるとしたら、自分を苦しめた相手にも同じ報いがあればいいのにと願ってしまうかもしれない。

自分の代わりに誰かが復讐してくれるとしたら、あなたはそれを望むだろうか。本作は、復讐劇の爽快感を味わいながら、人の心の闇が生んだモンスターの正体に迫るミステリーとしても楽しめる、読み応えのある作品だ。

文=七井レコア

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