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親を亡くした姪っ子と、孤独だった叔父がだんだん家族になっていく。仲良しふたりの心温まる同居生活を描くコミック『かわいすぎる人よ!』【書評】

  • 2026.8.18

【漫画】本編を読む

「かわいい」という言葉を、あなたはどんな意味で使うだろうか。見た目がきれい、顔立ちが愛らしい——おそらく多くの人がそう答える。しかし『かわいすぎる人よ!』(綿野マイコ/KADOKAWA)を読むと、その言葉に対する印象が少し変わっているはずだ。

主人公のメイは、親を亡くし、小説家の叔父・史朗に引き取られた中学生。彼女は思春期の真っ只中で、自分の外見にコンプレックスを抱いている。対照的に、叔父・史朗は誰もが振り返る容姿端麗な男性だ。メイにとって史朗は自慢の叔父であり、同時に自分と比べてしまう存在でもある。

しかし、この物語で何より心に残るのは、史朗がメイを見つめるまなざしだ。史朗にとって、メイはこの世で一番「かわいくて愛しい」存在なのだ。本作における「かわいい」という言葉は、見た目ばかりを指すものではなく、存在そのものが誰よりも大切で愛おしいという気持ちが込められているのだ。自分が欲しかった洋服を他の子に譲ったり、忙しいとご飯が適当になってしまう叔父を気づかったり。そんなメイの優しさや健気さを、史朗は見逃すことなく、そしてまっすぐに愛情を注いでいく。

史朗自身も、かつて孤独を抱えていたひとりの人間だ。メイを引き取った当初、彼は「自分が育てていいのか」と葛藤するが、メイとの触れ合いを通じて、史朗自身の孤独や寂しさも少しずつ消えていく。血の繋がりというだけではなく、日々を一緒に過ごし、互いに思いやりを重ねていくことで家族になっていく。そんなふたりの関係が心を温かくしてくれるのだ。

メイの友人との関係や、史朗が書いている小説の秘密など、ふたりの暮らしを取り巻くエピソードも見どころだ。コンプレックスを抱えながら成長する少女と、彼女を守ることで自らも成長していく大人の姿は、世代を問わず多くの人の心に刺さるはずだ。

読み終えるころには、メイと史朗の毎日が末長く続いてほしいと願っているだろう。優しくて温かなヒューマンドラマが好きな人にぜひおすすめしたい作品である。

文=坪谷佳保

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