1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 「天気のせい」で片付けないで!気象病に隠れた片頭痛の正体と、待望の“最新飲み薬”とは?

「天気のせい」で片付けないで!気象病に隠れた片頭痛の正体と、待望の“最新飲み薬”とは?

  • 2026.8.19

話を伺った人...
山王直子/
医師。品川ストリングスクリニック院長。横浜市立大学卒業後、アメリカのメイヨークリニックに留学、脳下垂体の研究で博士号取得。日本医科大学講師、日本医科大学付属多摩永山病院 脳外科部長などを経て現職へ。著書に『頭痛治療革命 最新科学によるアプローチ』などがある。https://shinagawasc.com/

なぜ天気が崩れると頭痛がするのか?国内1000万人が片頭痛に悩む

Getty Images

「台風や低気圧が近づくと頭痛が起きて体調が悪くなる」。こんな症状を訴える人が増えている。最近はこういった天候に左右される症状を通称で「気象病」と呼ぶこともある。しかし、その中に多く存在するのが「片頭痛」であるというのは、長く頭痛の研究・臨床に携わっている品川ストリングスクリニック院長の山王直子医師だ。

「日本の片頭痛に悩む人の総人口は、子どもも加えると約1000万人で、経済損失は年間で1.5兆円という概算も。性別では女性は男性の約3.6倍罹患数が多いと言われています。症状出現のトリガーは人それぞれですが、気圧や湿度、気温の変化や強い光などは片頭痛の代表的なトリガーです。気象変化のたび頭痛が起きる人は、まずは片頭痛を疑ってみましょう」

片頭痛の原因となるトリガーの特定法と、話題のCGRP最新薬とは

Getty Images


片頭痛のトリガーは気象以外に、アルコールやチーズなどの食品や生理前などのホルモン変動、他にストレスや寝不足、寝過ぎ、ニオイなど多岐にわたる。まずは、自分のトリガーを把握して避けられるものは避けることが必要だという。「自分のトリガーが把握できてない人は、頭痛ダイアリーをつける。アプリを使うのもいいでしょう」

そもそも片頭痛は、三叉神経と呼ばれる神経からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経伝達物質が放出され、脳の周囲の血管が拡張し、炎症を発生させることで起こる。現在は、このCGRPの神経伝達物質をブロックし、抑制する薬が次々承認されていて、片頭痛に悩む人には朗報だ。

片頭痛に待望の飲み薬が登場。最新薬の特徴を専門医が解説

Getty Images


「2021年に片頭痛自体の発症を抑制する新薬が3種類(エムガルティ/アジョビ/アイモビーグ)登場しました。月に1回注射するという方法で、私のクリニックでも多くの患者に改善が見られました。ただ、頭痛外来や脳外科など頭痛専門医でないと処方できず、保険適用でも1回約13000円かかるという課題がありました。

そして、2025年12月に『ナルティーク(一般名:リメゲパント)』、2026年4月には『アクイプタ(一般名:アトゲパント)』が発売。こちらはどちらもCGRP受容体拮抗薬の錠剤で、頭痛専門医でなくても処方可能です。注射が苦手でCGRP関連抗薬を躊躇していた人には朗報といえるでしょう。また、妊娠ご希望の方でも服用できるお薬です。服用方法は、アクイプタが毎日、ナルティークは2日に1回。効果は同等に高いものの、アクイプタは予防専用、一方でナルティークは急性期と予防の両方に効果があるという違いがあります。

費用は注射タイプとほぼ同じで1カ月13000円前後ですが、新薬は発売後1年間は原則14日分しか処方できないルールがあるため、しばらくは通院の手間が増える可能性もあります。現在、片頭痛の治療薬の開発が急ピッチで進んでいて、今後は静脈点滴タイプも登場する予定です。女性の場合、片頭痛があるとピルの処方が難しいなどの問題もあるので、気になる症状があれば、頭痛に詳しい専門医に相談しましょう」

From Harper's BAZAAR September 2026

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ