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産後や子育て中の手首の痛みは腱鞘炎かも?原因や予防法について医師が解説します

  • 2026.8.17

子育てで抱っこなどが増えたせいか、なんとなく手指の調子が悪い・・・もしかすると腱鞘炎かも?市販薬でしのげるならいいけれど、慢性化しないためにも病院に行った方がいい?そんな疑問について、たけうちファミリークリニック院長の竹内雄毅先生にお話を伺いました。

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赤ちゃんを抱き上げたときや、ペットボトルのふたを開けたときに、手首の親指側がズキッと痛むことはありませんか。
育児中は、抱っこや授乳、おむつ交換、沐浴など、手首や指を繰り返し使う機会が多くなります。「少し使いすぎただけ」と我慢しているうちに痛みが強くなり、日常生活に支障が出ることもあります。
子育て中の方にも多い「腱鞘炎」について、家庭でできる対策や受診の目安をお伝えします。

腱鞘炎とは

筋肉と骨をひものような組織でつなぐ「腱」の周囲には、腱がスムーズに動けるように支えるトンネル状の組織「腱鞘」があります。
手や指を繰り返し使うことで腱と腱鞘の間に摩擦が起こり、腫れや痛みが生じた状態が腱鞘炎です。
代表的なものには、手首の親指側が痛くなる「ドケルバン病」と、指の付け根が痛み、曲げ伸ばしの途中で引っかかる「ばね指」があります。
ドケルバン病では、親指を広げたり、手首を小指側へ曲げたりしたときに、手首の親指側に強い痛みが出ます。ばね指では、指の付け根に痛みや腫れがあり、進行すると指がカクンと跳ねるように動いたり、伸ばしにくくなったりします。

手の使いすぎ以外の原因

腱鞘炎は、スマートフォンや家事など、手や指を繰り返し使う人に多くみられます。
子育て中では、赤ちゃんの頭を手のひらで支えながら抱き上げる動作や、親指を大きく開いた状態で長時間抱っこする姿勢が負担になりやすいと考えられます。
ただし、原因は単なる「使いすぎ」だけではありません。妊娠・出産期や更年期の女性に多くみられることから、女性ホルモンの変化も発症に関係すると考えられています。また、糖尿病や関節リウマチ、透析治療を受けている方では、ばね指などの腱鞘炎が起こりやすいことも知られています。

予防と対策

痛みを感じたら、まず大切なのは「痛む動作を減らすこと」です。ただし、育児中に手をまったく使わないことは難しいでしょう。手を休ませるというよりも、同じ部分に負担が集中しないように工夫します。
赤ちゃんを抱き上げるときは、手のひら全体と前腕で体重を受け止めましょう。脇を締め、赤ちゃんを自分の体に近づけてから持ち上げると、手首への負担を減らせます。
授乳クッションや抱っこひもを活用する、家族に抱っこを代わってもらうことも有効です。スマートフォンを片手で長時間操作する習慣も見直してみましょう。
痛みや腫れが強い時期には、布で包んだ保冷剤などで15~20分程度冷やす方法があります。冷やしすぎによる皮膚障害を防ぐため、保冷剤を直接皮膚に当てないようにしてください。
親指や手首を固定するサポーターも、患部を休ませる手段になります。ただし、長期間固定し続けると関節が硬くなることがあるため、痛みが続く場合は医療機関で相談しましょう。

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市販薬で対応できる?

軽い痛みであれば、湿布や塗り薬、痛み止めなどの市販薬が症状を和らげることがあります。しかし、市販薬は炎症や痛みを軽減するためのもので、負担のかかる動作を続けたままでは改善しにくい場合があります。
また、妊娠中や授乳中の方、喘息、胃潰瘍、腎臓病などの持病がある方は、自己判断で使い続けず、医師や薬剤師に確認してください。

自然に治ることもある?

負担を減らすことで自然に改善することもありますが、痛みを我慢して使い続けると慢性化する可能性があります。
症状が長引く場合、整形外科では診察を行い、必要に応じて固定、内服薬や外用薬、リハビリテーションなどを組み合わせます。改善が不十分な場合には、腱鞘内へのステロイド注射が検討されることがあります。治療を続けても強い症状が残る場合には、狭くなった腱鞘を広げる手術が選択されることもあります。

子どもの腱鞘炎

子どもでも、手を繰り返し使うことにより、手首や指を痛めることはあります。
一方、乳幼児の親指が曲がったまま伸びにくい場合は、大人の使いすぎによる腱鞘炎とは異なる「強剛母指」や「小児ばね指」の可能性があります。痛みがなくても、親指を伸ばせない状態が続いている場合は、小児科や整形外科に相談してください。無理に親指を伸ばしたり、強くマッサージしたりする必要はありません。
また、次のような場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
・痛みや腫れが数日から1~2週間たっても改善しない
・抱っこや家事などの日常生活に支障がある
・指が引っかかる、伸びない、動かなくなった
・しびれや握力低下を伴う
・転倒や打撲後から痛みが続いている
・患部が赤く腫れ、熱を持っている
・子どもの指が曲がったまま伸びない

腱鞘炎は、子育てを頑張る人ほど無理をして悪化させやすい病気です。一人で我慢するのではなく、道具や家族の力を借りながら、手首にかかる負担を分散しましょう。
痛みは、体からの「少し休ませて」というサインです。早い段階で使い方を見直し、必要に応じて専門家に相談することが、慢性化を防ぐ第一歩になります。

【主な参考資料】
・公益社団法人日本整形外科学会「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」
・公益社団法人日本整形外科学会「ばね指(弾発指)」
・公益社団法人日本整形外科学会「強剛母指」
※本記事の作成にあたり、文章表現の確認や校閲の一部に生成AIを使用しております。

執筆者

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竹内雄毅
竹内雄毅

医学博士・小児外科専門医。京都府精華町「たけうちファミリークリニック」院長。京都府立医科大学小児外科客員講師。

小児科・小児外科の診療に加えて、地域の子どもを安心して預けられる病児保育を運営し、さらに絵本の読み聞かせや離乳食教室、ベビーマッサージなどの子育てイベントも展開している。クリニックを「行きたくない場所」ではなく「行きたくなる場所」に変えることを目指し、医療を軸としたコミュニティデザインに力を注いでいる。現在は、隣接地に人が自然に集まり安心して交流できる広場の構想を進めており、家族と地域が互いに支え合える環境を形にしていこうとしている。

京都府精華町「たけうちファミリークリニック」 ホームページ

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