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「通帳と印鑑は、どこにありますか」祖母を送ったあとに突然戻ってきた叔父。だが、口にした言葉に思わず絶句

  • 2026.8.18

祖父母が、元気なうちから決めていたこと

祖父母の家は、子どものころから親戚が集まる場所でした。

お盆や正月になると座敷に人が集まり、祖母が料理を並べ、祖父が昔話をする。

私にとっては、いつ帰っても変わらない場所でした。

祖父母は、自分たちがいなくなったあとに家族が困らないよう、元気なうちから先のことを考えていました。

「残された人が揉めないように、できることはしておきたいの」

祖母はよく、そんなふうに話していました。

ただ、その家族の輪の中に、長男である叔父の姿はありませんでした。

叔父はずいぶん前に家を出て以来、親族との付き合いをほとんど絶っていました。

連絡先も分からなくなり、法事があっても知らせることができない状態が何年も続いていたのです。

そんなある日、祖父が私に改まった口調で話を切り出しました。

「この家のことを、将来引き受けてもらえないか」

祖父母としては、家のことを任せられる人に近くで暮らしてほしかったようです。

ただ、私にはすでに自分の生活がありました。すぐには答えを出せず、少し考えさせてほしいと伝えました。

その後、別の孫が祖父母と一緒に暮らすことになりました。

買い物や通院の付き添いなども手伝うようになり、祖父母も安心した様子でした。

私も、これなら大丈夫だろうとほっとしていました。

祖母を送った直後、叔父が口にしたこと

それからしばらくして、祖母が亡くなりました。

通夜と葬儀は、生前に祖母が希望していたとおり、近しい親族を中心に行われました。

そして驚いたことに、長いあいだ連絡の取れなかった叔父も姿を見せたのです。

叔父は親族から少し離れた場所に座り、ほとんど誰とも話しませんでした。

久しぶりに会った祖父とも、短い言葉を交わしただけでした。

葬儀を終え、親族で祖父母の家に戻ったあとです。

片づけをしていると、叔父が祖父母と同居していた孫のところへ歩み寄りました。

そして、最初にこう尋ねたのです。

「祖母さんの通帳と印鑑は、どこにありますか」

その場にいた人たちの手が止まりました。

祖母との思い出でも、長いあいだ顔を見せなかったことへの言葉でもありませんでした。

祖母を送ってまだほとんど時間も経っていない中で、最初に出てきたのが財産についての質問だったのです。

同居していた孫が、戸惑いながら聞き返しました。

「今、その話をするんですか」

叔父は声を荒らげることもなく、淡々と答えました。

「確認しておきたいだけです。私にも関係することですよね」

祖母の子である叔父が、相続について確認する立場にあることは分かります。

長く疎遠だったからといって、それだけで何も言えなくなるわけではありません。

それでも、祖母を送った直後でした。

何年も姿を見せなかった人が戻ってきて、最初に確かめたのが通帳と印鑑の場所だったことに、私はどうしても寂しさを覚えました。

叔父はしばらくして、「また改めて来ます」とだけ言い、家を出ていきました。

祖父は今も元気に暮らしています。電話をすれば、以前と変わらない声で近況を話してくれます。

ただ、祖父との電話を切ったあと、ときどきあの日のことを思い出します。

財産について話し合うことは、いつか必要になるのでしょう。それでも家族を見送った直後くらいは、まずその人のことを話してほしかった。あの日の叔父の静かな声を思い出すたび、今でもそんな気持ちが残っています。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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