1. トップ
  2. 小学校に入学し1カ月、息子から突然の「明日学校に行かない」宣言。親子で不登校に苦しみながら、ある答えに辿り着くまでを描いたノンフィクション【書評】

小学校に入学し1カ月、息子から突然の「明日学校に行かない」宣言。親子で不登校に苦しみながら、ある答えに辿り着くまでを描いたノンフィクション【書評】

  • 2026.8.16

【漫画】本編を読む

子どもが突然、「学校に行かない」と言い出したら親はどう受け止めればいいのだろう。無理に行かせたくはない。しかしこのままで大丈夫なのかという不安も大きい。『学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで』(今じんこ/オーバーラップ)は、我が子の不登校に直面した親が悩み、迷い、そして親子で答えを探していく実録コミックエッセイだ。

著者の今じんこ氏は、これから小学生になる息子に対して「不登校になったらどうしよう」と考えたことはなかった。だが入学してひと月経った5月、長男・もっちんが突然「明日学校に行かない」と言い出す。理由は運動会の練習をしたくないから。夫と一緒に説得しても、もっちんの表情は晴れなかった。

最初は「そのうち登校できるだろう」と思っていた今氏。しかし、翌日からもっちんは朝になると激しく泣くようになり、毎日なだめながら、どうにか学校へ送り出す日々が始まる。そんななか、もっちんが体調不良を訴えたことをきっかけに、今氏は初めて学校を休ませて病院へ連れて行き、小児科の先生に涙ながらに行きしぶりのことを相談する。

信頼している医師から返ってきたのは、「無理して行くことない」という言葉だった。その一言に救われる一方で、簡単に「行かなくていい」と割り切ることができない。諦めてはいけないのではないか。みんなと同じようにできないままで大丈夫なのか。心の中には、いくつもの不安と迷いが渦巻くのである。

不登校は子どもにとって、これから生きていくために大切な知識を満足に得られなくなるのはもちろん、社会性にも影響を残す可能性がある。そしてその不安を持つのは当然親であり、本作は心をすり減らしていく親の様子も描いている。

不登校の理由も解決策もそれぞれだ。だが本人に寄り添えるのは親だけであることは、どの親子も同じである。著者夫婦ともっちんはどんな答えを出すのか。ぜひその目でたしかめてほしい。

文=坪谷佳保

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ