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「店長を呼べ、いつまで待たせるんだ」自分の注文を先に出せと迫る客。だが、店長が静かに返した一言

  • 2026.8.12

混雑した昼のカウンターで

ファストフード店でアルバイトをしていたころの話です。

日曜日の昼は、店内の席がほとんど埋まるほど混雑していました。その日もレジには列ができ、厨房には次々と注文が入っていました。

私はレジで会計を担当していましたが、注文の数が一気に増えたため、料理の提供にはいつもより時間がかかっていました。

そんな中、カウンターの前に一人の男性客がやってきました。

「まだなの?もうかなり待ってるんだけど」

男性はレシートを手に、いら立った様子で尋ねてきました。

注文時間を確認すると、20分近く経っています。

「大変お待たせして申し訳ございません。ただいま順番にご用意しております」

そう伝えると、男性はさらに声を強めました。

「じゃあ俺のを先に作ってよ。もう十分待っただろ」

「申し訳ございません。ほかのお客様もお待ちですので、順番を変更することはできません」

「そんなの知らないよ。店長を呼んで」

後ろには、料理を待っているお客様が何人もいました。私はどう答えるべきか迷い、店長を呼びました。

順番だけは変えられない

厨房から出てきた店長は、まず男性に頭を下げました。

「長くお待たせして申し訳ございません」

男性はすぐに言いました。

「20分近く待ってるんだよ。先に俺のを出してくれればいいだろ」

店長は注文状況を確認してから答えました。

「お待たせしていることについては、こちらの責任です。申し訳ございません。ただ、お料理はご注文いただいた順番にお出ししていますので、お客様だけを先にすることはできません」

男性は少し黙りました。

店長は続けます。

「このままお待ちいただくのが難しいようでしたら、返金も承ります」

「……いや、返金まではいい」

先ほどまで強かった男性の口調が、少しだけ落ち着きました。

「かしこまりました。できるだけ早くご用意いたしますので、もう少々お待ちください」

男性はそれ以上何も言わず、カウンターの脇へ戻りました。

数分後、男性の番号が呼ばれました。店長が商品を渡すと、男性は小さくうなずいて席へ向かいました。

騒ぎが収まったあと、私は店長に「すみませんでした」と声をかけました。

すると店長は首を横に振りました。

「謝ることじゃないよ。無理なお願いをされたときは、一人で何とかしようとしなくていい。すぐ呼んで」

混雑して待ち時間が長くなれば、不満を感じるお客様がいるのも当然です。

それでも、一人だけ順番を変えてしまえば、その後ろで待っている人たちにも影響します。

申し訳ないと思うことと、できないことをきちんと伝えることは別なのだと、その日の店長の対応から学びました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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