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【タコvsイカの栄養】タンパク質やビタミン・ミネラルの違いは? 夏の疲労回復やダイエットにおすすめな理由を栄養士が解説

  • 2026.8.11

「足は8本、腕は10本」!? 生態やスミにもあるタコとイカの明確な違い

夏のタンパク質補給にぴったりなタコとイカ
夏のタンパク質補給にぴったりなタコとイカ

暑さで食欲が落ち、そうめんなどの炭水化物に偏(かたよ)りがちな夏場、手軽にタンパク質を補給できる食材として重宝するのが「タコ」と「イカ」です。同じ軟体動物でありながら、生態や見た目だけでなく、含まれるミネラルやビタミンの栄養成分にも明確な違いが存在します。今回は、栄養士が、タコとイカの栄養価の違いや夏の栄養補給に向いている理由、効果的なおすすめレシピについて詳しく解説します。

夏祭りや屋台のタコ焼き・イカ焼きでもなじみ深い両者ですが、分類や性質には興味深い違いがあります。日本近海に約60種生息し夏に親しまれるマダコは、海外では「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」と呼ばれ、食べる習慣を持つ国は日本や韓国、イタリア、スペインなどに限られます。一方のイカは世界で約500種、日本近海で約130種が存在し、スルメイカやケンサキイカなどが刺身や天ぷら、焼き物など幅広く食されています。

タコをゆでると赤く発色するメカニズムには諸説あり、正確には解明されていません。
タコをゆでると赤く発色するメカニズムには諸説あり、正確には解明されていません。

同じ軟体動物でも、海底を這(は)うタコは「足が8本」、水中を泳ぐイカは「腕が10本」と呼び分けられます。また、イカの吸盤内部には獲物を捕らえるリング状の歯「角質環(かくしつかん)」が存在するのに対し、タコにはありません。

国内産のイカの約半分を占めるスルメイカ。日本海全域を暖流にのって回遊します。
国内産のイカの約半分を占めるスルメイカ。日本海全域を暖流にのって回遊します。

さらに、サラサラして墨袋を取り出しにくいタコスミに対し、イカスミは粘り気があり墨袋を取り出しやすいため、パスタなどの料理へ活用しやすいという特徴もあります。

【栄養比較】ミネラル豊富なタコ、ビタミン&抗酸化のイカ! タンパク質量も検証

【マダコとスルメイカの栄養比較】※筆者作成
【マダコとスルメイカの栄養比較】※筆者作成

可食部100gあたりの栄養価(文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』より)を比較すると、マダコ(生)は70kcal・タンパク質11.4g、スルメイカ(生)は76kcal・タンパク質13.4gとなっており、どちらも脂質0.3gと非常に低脂質・高タンパク質です。

栄養素の強みを比較すると、マダコは筋肉や神経の働きを保つマグネシウム(55mg)や、貧血予防に役立つ鉄(0.6mg)、銅(0.38mg)、カルシウム、ビオチンが多く含まれており、ミネラル補給力に優れています。

一方のスルメイカは、タンパク質の代謝に関わるビタミンB6(0.21mg)や赤血球の形成を助けるビタミンB12(4.9μg)などのビタミンB群に加え、強い抗酸化作用を持つセレン(41μg)やビタミンE(2.1mg)が豊富に含まれています。

夏太り対策やミネラル補給には「タコ」、疲れや紫外線ケアには「イカ」がおすすめ

「夏太りが気になる」「ミネラル不足を感じる」という方にはタコが適しています。弾力が強いタコは自然と噛(か)む回数が増えて満足感を得やすく、低カロリーでありながら良質なタンパク質を摂取できます。酸味のある酢やレモン、梅干し、トマト、生姜(しょうが)などの香味野菜と相性が良いため、キュウリやワカメと合わせた酢の物やマリネにすることで、油を使わずヘルシーに味わえます。関西や瀬戸内では半夏生(はんげしょう)の行事食として「タコめし」を食べる習慣もあります。

タコ、キュウリ、ワカメの酢の物。暑さで食欲がないときも酢とショウガでさっぱり食べられます。
タコ、キュウリ、ワカメの酢の物。暑さで食欲がないときも酢とショウガでさっぱり食べられます。

「夏の疲れやだるさがある」「紫外線によるダメージが気になる」という方にはイカが効果的です。ビタミンB群がエネルギー代謝を助け、ビタミンEやセレンが体内の抗酸化作用を発揮します。ビタミンCを含むパプリカやブロッコリー、リコピンを含むトマトと合わせ、少量のオリーブオイルを用いたサラダやマリネにすることで、脂溶性であるビタミンEの吸収率が大幅に向上いたします。

サッと加熱したイカを生野菜と合わせて、夏らしいサラダに。オリーブ油のドレッシングをかけるとスルメイカに含まれるビタミンEの吸収もアップします。
サッと加熱したイカを生野菜と合わせて、夏らしいサラダに。オリーブ油のドレッシングをかけるとスルメイカに含まれるビタミンEの吸収もアップします。

ただし、イカのするめや塩辛、一夜干しは塩分が多くなりやすく、マヨネーズやバターの使いすぎは低脂質という長所を消してしまうため注意が必要です。体調や料理に合わせてタコとイカを賢く選び、夏の健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。

(野村ゆき)

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