1. トップ
  2. エピソード
  3. 「説明はいらん、責任者呼べ」イヤホンの故障を訴え怒鳴る客。だが、確認を終えた店長が静かに伝えたこと

「説明はいらん、責任者呼べ」イヤホンの故障を訴え怒鳴る客。だが、確認を終えた店長が静かに伝えたこと

  • 2026.8.12
「説明はいらん、責任者呼べ」イヤホンの故障を訴え怒鳴る客。だが、確認を終えた店長が静かに伝えたこと

「音が小さい」と怒鳴る客

家電量販店で働いていた頃のことです。

土曜の昼過ぎ、買い物客で混み合う店内でレジを担当していると、五十代くらいの男性が開封済みのイヤホンを持ってカウンターへやってきました。

男性はイヤホンの箱をカウンターに置くなり、強い口調で言いました。

「これ、不良品やろ。音が全然聞こえんぞ」

二千円ほどの一般的な有線イヤホンでした。私はまず、どのような状態なのかを確認することにしました。

「ご不便をおかけして申し訳ありません。音が出ない状態でしょうか。それとも、音量が小さいということでしょうか」

「小さいんや。最大にしても使いもんにならん」

そこで了承を得たうえで、店にある確認用の機器につなぎ、男性が持参したイヤホンそのものを動作確認しました。

左右とも音は正常に出ており、極端に音量が小さい様子もありませんでした。

念のため、男性が使っているスマートフォンでも確認させてもらうと、端末側の音量設定が低くなっていました。

「イヤホン自体は正常に動いているようです。こちらの音量設定を上げていただくと」

私が説明している途中で、男性は不機嫌そうに言葉をさえぎりました。

「そんな説明はいらん。責任者を呼べ」

声が大きくなり、周囲のお客様もこちらを気にし始めます。

私はそれ以上言い争わず、「少々お待ちください」と伝えて店長を呼びました。

店長も同じ確認をすると

ほどなくして店長がやってきました。

「お待たせしました。店長の者です。状況を確認させていただきます」

男性は店長に向かって、「買ったばかりなのに音が小さい。交換してくれ」と訴えました。

店長は私から経緯を聞いたあと、もう一度イヤホンの動作とスマートフォンの設定を確認しました。

そして、落ち着いた口調で説明しました。

「こちらのイヤホンは、確認した範囲では正常に動作しています。先ほど音が小さかったのは、端末側の音量設定が下がっていたためのようです」

実際に設定を上げた状態で音を確認すると、男性にも十分聞こえる音量になっていました。

「……じゃあ、壊れてないってことか」

それまでの強い口調が、少しずつ静かになっていきました。

店長はさらに、「不具合が確認できた場合は対応いたしますが、今回は正常に動作しておりますので、このままお使いいただけます」と丁寧に説明しました。

男性はしばらくイヤホンとスマートフォンを見比べていましたが、最後には小さく「わかった」とだけ言い、商品を持って帰っていきました。

店長が特別なことを言ったわけではありません。私が最初に説明しようとした内容を、もう一度落ち着いて伝えただけでした。

それでも、相手によってあれほど態度が変わるのかと、少し複雑な気持ちになった出来事です。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ