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「半分だけ売ってくれよ」生姜のバラ売りを求めた客。だが、バラ売りを求める男性に、店長が変えなかった対応

  • 2026.9.22

「全部はいらない」と言い出した男性

秋の土曜日の朝、私は夕飯の野菜を買いに、家の近くにある農産物の直売所へ出かけた。

近くの農家さんが持ち込んだ野菜や果物が並ぶ小さな店で、レジの近くには一口大に切った柿が試食用の小皿に盛られていた。

レジに並ぶと、私の前には初老の男性がいた。

かごには土のついた生姜が1束と、値札のはがれた葉物が入っている。

会計の番になると、男性は生姜を持ち上げ、レジ係の女性に見せた。

「これさ、こんなに要らないんだよ。半分だけ売ってくれよ」

レジ係は生姜を確認してから、申し訳なさそうに答えた。

「すみません。こちらは1束単位での販売なんです」

「いや、だから半分でいいんだって。ここで分ければいいだろ?」

「申し訳ありません。こちらでは分けて販売できないんです」

男性は眉をひそめた。

「半分だけ売ってくれよ。いつもここで買ってるんだから、それくらいいいだろ?」

レジ係が困った表情を見せると、男性の声が少し大きくなった。

「全部買っても使い切れないんだよ。捨てることになったら、もったいないだろ?」

量が多すぎるという男性の言い分自体は分からなくもありません。ただ、レジ係にも勝手に商品を分けられない事情があるようでした。

「少々お待ちいただけますか。責任者を呼んできます」

そう言って、レジ係は奥へ向かった。

責任者の方が説明したのは、できない理由だった

待っているあいだ、男性はレジ横の試食の柿を1個つまんで口に入れた。

「融通きかないなあ。週に何回も来てるのに」

誰に話すともなくそんな言葉を続けている。壁の時計を見ると、3分ほど経っていた。

やがて、エプロン姿の年配の方が奥から出てきた。

戻ってきたレジ係が「生姜を半分だけ購入したいそうなんですが」と伝えた。

「お待たせしました。量が多いということですね」

「そうなんだよ。全部はいらないんだ。半分なら買うって言ってるの」

男性が少し強い口調で言うと、責任者の方はうなずいた。

「使い切れないともったいないですよね。ただ、この生姜はこの1束で一つの商品として出していただいているので、店で分けて販売することはできないんです」

「でも、いつも買いに来てるんだよ?」

「はい。いつもありがとうございます。ただ、お客様によって売り方を変えることはできません。申し訳ありません」

男性はしばらく黙り、生姜の束を見つめた。

「…じゃあ、今日はこれだけ買うよ」

結局、男性は生姜を1束購入することにした。

責任者の方が値札のない葉物を手に取り、「こちらは値段を確認してきますね」と声をかけると、男性は首を横に振った。

「いや、それは今日はいいよ」

葉物を責任者の方に預け、そのまま会計を終えて店を出ていった。

男性の姿が見えなくなると、レジ係が小さく息を吐いた。

責任者の方はその様子を見て、「判断に迷ったら、また呼んでね」と穏やかに声をかけた。

そして私たちのほうへ向き直る。

「お待たせして申し訳ありません。次の方、どうぞ」

張りつめていたレジ前の空気が、ようやく元に戻ったように感じた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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