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本番で緊張しない方法はある?いつも緊張する私が変えた3つのこと【精神科医監修】

  • 2026.8.5

社内の異動の挨拶では、数十秒話すだけなのに声が震える。キックボクシングの試合では、セコンドの声がまったく聞こえない。

昔から、本番に弱いタイプでした。

今も、本番前は毎回緊張します。でも、以前のように頭が真っ白になったり、何もできなくなったりすることはなくなりました。

変えたのは3つ。緊張をなくしたわけではなく、付き合い方を変えただけでした。

プレゼンや面談、試合など、本番を控えて緊張してしまう人に是非読んでほしいです。

変えたこと1|緊張は“集中スイッチ”だと捉え直す

緊張に気づくほど、焦っていた

試合の時間が近づいてくると、足がふわふわして地に足がつかない感覚になります。アップでミット打ちをしても、蹴りに力が入らない。

以前はこの状態を「やばい、緊張してる」と思っていました。そして緊張している自分に気づくほど、どんどん焦ってしまう。

緊張していい、とトレーナーに言われた

緊張しすぎてしまうとジムのトレーナーに相談したとき、適度な緊張は、パフォーマンスを上げてくれるものだと教わりました。アドレナリンが出て、集中力が研ぎ澄まされるからだそうです。

受け取り方を変えただけで、楽になった

それからは、同じ「足がふわふわする」感覚を、別の意味で受け取るようにしました。「やばい」ではなく、「戦闘モードに入れているサイン」。体が本番に備えて準備している証拠だと思えるだけで、焦りが少し引いていきました。

変えたこと2|緊張したときの“落ち着くルーティン”を決めておく

呼吸から始めてみた

ふたつめに教わったのが、4秒吸って8秒吐く呼吸でした。会場に入ってから試してみると、少し気持ちが静まる感じがしました。

リングに上がるまでの動きも、決めておいた

それから、リングに上がる前に体を揺らして軽くジャンプする。これは無意識にやっていたのを、落ち着けると気づいてから意識的にするようにしました。リングに上がったら左右の足を交互に、床に強くトントンと叩きつける。これはジムの選手に教わったものです。

考える前に、体を動かす

決めた動作をなぞっていると、「はじまるぞ、はじまるぞ」と気持ちが入りこんでいくのがわかります。決めておくこと自体が、お守りみたいになっていました。「どうしよう」と考えずに、ただ動く。それだけで、ずいぶん楽になりました。

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次:変えたこと3|結果ではなく、“やること”に集中する

変えたこと3|結果ではなく、“やること”に集中する

もうひとつ変えたのは、意識をどこに向けるかです。

勝ち負けしか、頭になかった

以前は「負けたくない」と、結果ばかり考えていました。2戦目の相手は、名門ジムの選手。戦績を見ただけで気持ちが引いていくのがわかりました。試合前は「冷静になろう」「勝ちたい」「相手強そうだな」と、頭の中がぐるぐる回って止まらない。

セコンドの声は、届いていなかった

リングに上がってからも、練習では当たり前に出していた蹴りを忘れて、パンチだけを打ち続けていました。あとから動画を見たら、セコンドも「パンチから蹴りまでつなげて!」と言ってくれている。試合中は、それがまったく聞こえていませんでした。

結果を考えるほど、体が動かなくなる

結果は、自分でコントロールできません。考えるほど緊張は膨らんで、体は動かなくなる。あの試合で、それを思い知りました。

やることを先に決めて、リングに上がる

だから、あらかじめ自分がやることを決めておくようにしました。このコンビネーションを出す、打たれても最後まで引かない、1発もらったら2発返す。やることが決まっていると、相手や結果に気を取られるかわりに、「決めた技を出す」ことだけに集中できる。結果は、その積み重ねの先についてくるものだと思えるようになりました。

3つのことを変えた結果、セコンドの声が聞こえた

相手はアマチュアチャンピオンで、レベルの差は明らかでした。試合はずっと向こうのペース。相手が打っては離れ、また打っては離れる。

私はその正面に立ち止まったままでした。目の前で止まってしまうのは、練習で何度も指摘されてきた癖です。

声が届いて、体が動いた

「まわりながら打つ!」という声が聞こえたのは、中盤でした。そのまま体が動いて、相手の正面から外れる。攻撃をもらわない位置に戻って、一度呼吸を整えることができました。

「緊張しない方法」を探すのをやめた

以前は「緊張しない方法」を探していました。今は、足がふわふわしてきたら「戦闘モードに入れているサイン」だと思う。呼吸を整えて、決めた技だけ考える。やることが決まっているだけで、緊張したままでも動けるようになりました。

試合に限らず、プレゼンでも面談でも、本番前に体が落ち着かなくなることはあると思います。緊張は消えなくても大丈夫です。まずは、緊張したときにやることを一つだけ決めてみてほしいです。

精神科医に聞いた|本番で緊張しないための考え方

緊張すると頭が真っ白になったり、手が震えたりするのはなぜなのでしょうか。また、緊張とうまく付き合い、本番で実力を発揮するためには、どのような考え方や準備が役立つのでしょうか。

精神科専門医・精神科指定医のさくらひだまり訪問クリニック院長 加藤 久普先生に伺いました。

緊張すると頭が真っ白になるのはなぜ?

緊張すると、脳が「危機的な状況だ」と判断して交感神経が急激に活発になります。これにより、筋肉に力が入って手が震えたり、心拍数が上がったりといった身体的な反応が起こります。

同時に、論理的な思考を司る脳の前頭葉の働きが一時的に低下してしまうため、頭が真っ白になってしまうのです。

適度な緊張はパフォーマンスを高める?

はい、適度な緊張は集中力を高め、普段以上の力を引き出してくれる効果があります。心理学では「ヤーキーズ・ドットソンの法則」とも呼ばれますが、リラックスしすぎても、逆に緊張しすぎてもパフォーマンスは低下してしまいます。

心拍数が少し上がり、「よし、やるぞ」と前向きな気持ちで目の前のことに集中できている状態が、最も望ましい緊張状態です。

本番前の深呼吸やルーティンは本当に効果がある?

深呼吸や決まったルーティンを行うことは、緊張対策として非常に有効です。ゆっくりと息を吐く呼吸法は、副交感神経を優位にして高ぶった交感神経を鎮め、心身をリラックスさせる効果があります。

また、普段からやり慣れた決まった動作(ルーティン)を行うことで、脳に「いつも通りの安全な状況だ」と錯覚させ、安心感をもたらすことができます。

緊張したときは「結果」より「やること」に集中したほうがいい?

はい、非常に有効な考え方です。勝敗や他人の評価といった「自分ではコントロールできない結果」に意識が向くと、不安やプレッシャーがさらに増幅してしまいます。一方で、「自分が今できる準備」や「目の前の動作」などコントロール可能なことに意識を集中させることで、不安が和らぎ、本来の力を発揮しやすくなります。

「失敗したらどうしよう」と考えるほど緊張するのはなぜ?

「失敗したらどうしよう」「迷惑をかけられない」といったマイナスな予測は、脳に強いストレスを与え、交感神経をさらに刺激して過度な緊張を引き起こします。このように他者の目を気にしすぎることは、不安を自ら増幅させる原因になります。

本番では、「うまくやらなきゃ」という気持ちを一旦手放し、「これまで準備してきたことをそのまま出そう」「この場を楽しもう」と、結果よりもプロセス(過程)に意識を向けることが大切です。

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監修者プロフィール

さくらひだまり訪問クリニック 加藤 久普 院長

さくらひだまり訪問クリニック
住所:〒115-0055 東京都北区赤羽西3-26-12 ロッソカンパーナ205
電話番号:080-3431-8053
https://sakura-hidamari.com/

【保有資格・所属学会】
・日本精神神経学会認定 精神科専門医
・厚生労働省認定 精神科指定医
・日本精神神経学会認定 認知症診療医
・日本精神神経学会
・日本認知症学会
・日本老年医学会
・日本在宅医療連合学会
・日本臨床精神神経薬理学会
・慶應義塾大学精神・神経科学教室

<Text:竹内 佳奈 Edit:MELOS編集部>

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