1. トップ
  2. エピソード
  3. 「本当に助かった、この恩は忘れないよ」お金を借りた叔父。だが、3年も返さない叔父に突きつけた現実

「本当に助かった、この恩は忘れないよ」お金を借りた叔父。だが、3年も返さない叔父に突きつけた現実

  • 2026.8.6

「必ず返す」と頼まれた夜

3年ほど前の、親戚が大勢集まった席でのことです。

法事のあとの会食で、料理を囲みながら、久しぶりの再会に話がはずんでいました。宴もひと段落したころ、50代になる叔父が、そっと私の隣に腰を下ろしてきました。

いつもは大きな声で笑っている人が、そのときばかりは少し声を落とし、ばつが悪そうに切り出します。

「今月、どうしても支払いが足りないんだ」

幼いころによく面倒を見てもらい、小遣いをくれたこともある相手です。その人がわざわざ頭を下げてくるのですから、私も無下にはできませんでした。

「10万は来月には必ず返す」

そう言い切られて、私は財布から用立てることにしました。来月には戻ってくるのだからと、そのときは深くも考えなかったのです。

「本当に助かった、この恩は忘れないよ」

叔父は何度も頭を下げ、その日はやけに機嫌よく、遅くまで杯を重ねていました。

ところが、約束の期日を過ぎても、叔父から連絡が入ることはありませんでした。こちらから催促するのも気が引けて、しばらくは黙って待っていました。

それでも一向に音沙汰がないので、遠回しに切り出してみても、返ってくる言葉はいつも決まっています。

「もう少しだけ、待ってくれ」

その一言をやわらかく差し出されると、私はそれ以上、強く催促することができませんでした。

3年目に、私が示した振込の記録

そうこうしているうちに、あっという間に3年が過ぎてしまいました。あの10万円は、いまだに1円も戻ってきてはいません。

それでいて、法事などで顔を合わせるたび、叔父はいつも真新しい服に身を包み、旨そうに酒を飲んでいるのです。

「この上着、この前あつらえたばかりでね」

その上機嫌な横顔を見た瞬間、私はもう黙っていられないと思いました。気まずくなるのが怖くて飲み込んできた言葉を、今日こそ口にしようと腹を決めたのです。

私はスマートフォンを取り出し、3年前の振込の記録を静かに画面に映して、叔父の前にそっと差し出しました。

「叔父さん、あの10万、もう3年になります。きちんと返してください」

声を荒らげたわけではありません。ただ、日付の残る記録を前に、逃げ場のない事実として、はっきりと告げただけでした。

叔父は一瞬、言葉に詰まり、いつもの上機嫌な笑みがすっと引いていきました。

「……そうだったな。すまなかった、すっかり甘えてしまっていた」

ばつが悪そうにそう言うと、叔父は後日きっちり10万円を全額振り込んでくれました。あれほど切り出せずにいた一言が、たった一度、記録を示して伝えるだけで通じたのです。飲み込み続けた3年間が嘘のように、胸のつかえがすっと消えていきました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ