1. トップ
  2. エピソード
  3. 「すみません。ちょっと足りへんみたいで」会計で固まった年配の客。店員がそっと寄り添った結果

「すみません。ちょっと足りへんみたいで」会計で固まった年配の客。店員がそっと寄り添った結果

  • 2026.8.3

会計で小銭が足りないことに気づいた男性

その日のお昼、行きつけの定食屋はいつも以上に混み合っていました。

食事を終えたお客さんがレジ前に並び、私も列の後ろで順番を待っていました。

私の少し前にいたのは、白髪まじりの高齢の男性です。

会計の番になると、男性は財布から小銭を取り出し、レジ台の上で一枚ずつ数え始めました。

ところが、何度数えても代金には少し足りないようです。

財布の中を確かめては、もう一度小銭を並べ直します。

後ろに列ができていることに気づいたのか、男性の手つきは次第に慌ただしくなっていきました。

「すみません。ちょっと足りへんみたいで…」

男性は申し訳なさそうに店員へ伝えました。

すると、財布のカード入れを見ながら、何かを思い出したように一枚のカードを取り出します。

「これ、ここで使えるんかな」

手にしていたのは、交通系ICカードでした。

普段は電車やバスで使っているものの、飲食店での支払いに使えるのか分からなかったようです。

店員が落ち着いて案内すると

対応していた若い店員は、男性を急かすことなくカードを確認しました。

「はい、こちらのカードも使えますよ。現金はしまっていただいて大丈夫です」

店員はそう伝え、支払い用の端末を男性のほうへ向けます。

「音が鳴るまで、ここにカードを置いてください」

男性はカードを端末に近づけましたが、すぐに離してしまい、決済は完了しませんでした。

「もう少し長めに置いていただければ大丈夫ですよ」

店員は穏やかに説明し、もう一度ゆっくり試すよう促します。

男性がカードを置いたまま待つと、間もなく端末から決済音が鳴りました。

「はい、お支払いできました」

その言葉を聞き、男性はほっとしたように息をつきます。

「よかった。後ろの人にも迷惑かけて、すみませんな」

男性が振り返ると、店員はすぐに答えました。

「大丈夫ですよ。慌てなくていいですから」

男性は何度もお礼を言い、財布にカードを戻して店を出ていきました。

会計には少し時間がかかりましたが、店員が落ち着いて対応していたため、店内が気まずい雰囲気になることはありませんでした。

困っている相手を必要以上に急かさず、分かるように一つずつ説明する。その自然な接客が、後ろで待っていた私の印象にも残りました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ