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「撮影はダメでしょ」温泉にスマホを持ち込んだ客。だが、スタッフが毅然と退場させた瞬間

  • 2026.8.5
「撮影はダメでしょ」温泉にスマホを持ち込んだ客。だが、スタッフが毅然と退場させた瞬間

湯けむりの向こうに

家族で泊まった温泉宿での、忘れられない出来事です。

夕食の前に、私は宿自慢の大浴場へ向かいました。

広々とした湯船から白い湯けむりが立ちのぼり、それだけで日ごろの疲れがほどけていくようでした。

ゆっくりと肩まで湯に浸かっていると、少し離れた場所に、どうにも落ち着かない気配を感じます。

湯けむりの向こうで、ひとりの女性が、手元の小さな光をじっと見つめているのです。

まさかと思って目を凝らすと、それはまぎれもなくスマートフォンでした。

(撮影はダメでしょ)

周りの人たちも次々に気づき、湯船には「えっ」というとまどいの声が、小さく広がっていきました。

撮影禁止という注意

浴場では、そう長くたたないうちに、従業員の方が様子を見にやってきました。

女性の手元に気づくと、その方はていねいに、けれどはっきりと声をかけます。

「お客様、こちらは撮影禁止となっております」

ところが女性は、悪びれるどころか、かえって気色ばみました。

「自撮りしてるだけ。何が悪いの」

大きな声が、湯けむりの立ちこめる浴場に響きわたります。

湯船にスマートフォンを持ち込むこと自体が、みんなの心を落ち着かなくさせていました。

せっかくのくつろぎの時間が、その怒鳴り声で台なしになりかけていたのです。

静けさが戻るまで

それでも、従業員の方は少しもひるみませんでした。声を荒げる女性に対しても、あくまで冷静な口調を崩さずに告げます。

「ほかのお客様もいらっしゃいます。恐れ入りますが、いったん外へご一緒いただけますか」

毅然としたその態度に、女性はなおも何か言い返そうとしていましたが、周りの視線が集まっていることに気づいたのでしょう。

やがて渋々と湯船から上がり、従業員に付き添われて、浴場をあとにしていきました。

女性の姿が消えると、あれほどざわついていた浴場に、ふたたび静けさが戻ってきました。聞こえるのは、湯のあふれる音だけです。

近くにいた年配の女性が、私と目を合わせて、ほっとしたように小さくほほえみました。

ひとりのマナー違反で、その場にいた全員が居心地の悪い思いをする。

それでも、きちんと筋を通してくれる人がいれば、場の空気は守られるのだと知りました。

私はもう一度、ゆっくりと湯に身を沈めたのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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