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「非公開設定」「親しい友達」でも安心できない? 子どもの写真を狙う“デジタル誘拐”の危険性

  • 2026.8.5
miniseries / Getty Images

SNSが普及し、いつでもどこでも日常をシェアできるようになった現代では、子どもの成長記録として、写真や動画を投稿している人も少なくないはず。しかし先日、親しい人だけに公開していたはずの子どもの写真が、思いもよらない形で悪用されるという出来事が話題となった。

娘の写真を盗用された母親の訴え

インスタグラムの「親しい友達」機能をはじめ、SNSでは限られた相手にだけ投稿を共有できる機能が広がり、プライベートな写真や動画も安心して発信しやすくなった昨今。公開範囲を設定していることで安心している人が多いものの、思わぬトラブルに巻き込まれるケースもあるよう。

10歳にも満たない息子と1歳の娘を育てるマリッサ・レインさん(25歳)は、子どもたちのプライバシーを守るため、写真は非公開のフェイスブックアカウントで、親しい友人や家族だけに共有していたという。

『New York Post』の取材に応じたマリッサさんは、「15年来の親友に、私の赤ちゃんを“デジタル誘拐”されたんです」と告白。親友が自身の娘の写真を盗用し、まるで自分の子どもであるかのようにネット上で利用していたことを明かした。

マリッサさんは、別の母親から知らされるまでまったく気づいておらず、その元親友は、自分が娘の母親であるかのように同僚や上司に振る舞い、架空の出産エピソードまで作り上げていたという。さらに、マリッサさんの娘の露出の多い写真を見知らぬ相手に送りつけるなど、悪質な行為を繰り返していたとのこと。

「私たち家族は、それまで感じていた安心感を失ってしまいました。夜も眠れなくなり、安心して過ごせていた日常は一変。すべてをさらけ出されたような無防備な気持ちで過ごしています」

「子どもたちの写真をSNSに投稿しなければよかった」

マリッサさんによると、11歳の頃からの元親友は、自身が不妊の苦しみを抱えていた時期から寄り添い、娘が誕生した後も育児を支えてくれる大切な存在だったよう。帝王切開後の体調不良で苦しんでいたマリッサさんにとって、元親友は“第二の母親”とも呼べるほど信頼する相手だったという。

d3sign / Getty Images

また、元親友はマリッサさんの娘の写真をフェイスブックに投稿して、「私の小さな赤ちゃん」といったコメントを添えたり、娘と会えないときには、「私の小さな女の子に会いたい」「私の赤ちゃんは元気?」と連絡してくることもあったと語っている。

しかし2026年の春に、ある女性からフェイスブックで突然メッセージが届いたことがきっかけに、元親友の不審な行動が明らかに。

「隣町に住む女性から、『母親として伝えておくべきだと思って連絡しました。あなたの友人が、自分があなたの娘の母親だと言っているようです』とメッセージが届いたんです」

マリッサさんは地元の保安官事務所に相談し、派遣された保安官代理が元親友の自宅を訪問。娘に関する写真や動画、投稿などをすべて削除するよう求めたとのこと。彼女は元親友を法的に訴えることは選ばない代わりに、長年の友情を完全に断ち切り、今後一切関わらない道を選ぶことに。

「もっと母親としての直感を信じて、子どもを守る行動を取ればよかった。そして、子どもたちの写真をSNSに投稿しなければよかったと後悔しています。フェイスブックを非公開にしていて、オンラインでつながっている相手も分かっているから、子どもたちは安全だと思い込んでいました。でも、現実は違ったのです」

デジタル誘拐とは?

SNSが多くの人にとって身近な存在になったことはもちろん、「親しい友達」などの機能が追加されたことから、公開範囲を限定すれば安全だと考え、子どもの写真を共有する人も少なくない。しかし、ここ数年で、親が自分の子どもの写真や情報をネット上で公開する“シェアレティング”が問題視されているのも事実。

『ParentMap』によると、デジタル誘拐とは、第三者がインターネット上から子どもの写真を無断で取得し、まるで“自分の子ども”であるかのようにSNSへ投稿する行為を指すとのこと。写真を自身のSNS上で拡散し、「いいね!」やコメントが寄せられることを楽しむケースもあれば、現実とは異なる架空の人生を演じるロールプレイの一環として、写真を利用する人も存在するという。

AleksandarNakic / Getty Images

子どもの写真をSNSに投稿するリスク

2018年3月には、『TODAY.com』の調査報道記者ジェフ・ロッセン氏とロッセン・レポートのチームが、ミシェルさんとリースさん夫妻をSNSに関する取材対象として調査。夫妻は一般的なSNS特集だと思っていたが、実際にはサイバーセキュリティ専門家がアカウントを確認し、公開されている個人情報を調べていたという。

その結果、ミシェルさんのフェイスブックから、夫の名前、子どもたちの名前、通っている学校、担任の名前、よく訪れる遊び場など、数多くの個人情報が特定されることに。『TODAY.com』は、子どもの写真や個人情報を守るために、SNSを利用する際に意識したい対策をこのように紹介している。

  • SNSの公開範囲を見直す
    インスタグラムはアカウントを非公開に設定し、フェイスブックでは「過去の投稿を制限」機能を使って、公開状態の投稿を友達限定に変更する。
  • 写真を共有する相手を厳選する
    Facebookの友達を信頼度に応じて整理し、子どもの写真は本当に安心できる相手だけに共有する。
  • 写真の位置情報をオフにする
    撮影場所が特定されないよう、スマートフォンのカメラ設定で位置情報機能をオフにする。
  • プロフィール写真に子どもを設定しない
    プロフィール画像やカバー写真は公開範囲が広くなる可能性があるため、子どもの写真の使用は避ける。
  • 投稿前に子どもの気持ちを考える
    将来、本人がどう感じるかを考え、成長後に嫌がる可能性のある写真の投稿は控える。
Maskot / Getty Images

実際に、どれだけ対策を講じていたとしても、SNS上で子どもの写真を公開することには一定のリスクが伴う。投稿する際は、誰に見られる可能性があるのか、将来子どもがどう感じるのかなど、リスクを考えることが重要になってくる──。

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