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いくつになっても“初めての味”に出会える! 3人のマダムのバレンタインが教えてくれる、新しい楽しみの見つけ方【書評】

  • 2026.7.31

【漫画】本編を読む

バレンタインと聞くと、甘いチョコレートを思い浮かべる人は多いだろう。けれど、チョコレートの楽しみ方は甘さだけではない。苦味や香り、カカオの濃さ。普段は選ばない味に出会うことで、思いがけず新しい世界が開けることもある。

『マダムたちのルームシェア』(seko koseko/KADOKAWA)は、3人のマダムが同じ家で暮らしながら、日々の小さな発見を楽しむコミックエッセイ。栞、沙苗、晴子は、食べ物の好みも、選ぶものも、それぞれ違う。けれど、その違いがあるからこそ、自分では選ばなかった新しい味に出会えるのだ。

たとえば、バレンタイン。ビターなチョコが好きな沙苗のために、栞は店員に相談してチョコレートを選んだ。選んだのは、カカオ100%のチョコレート。いくらビターが好きでも栞にとって、カカオ100%は初めて。カカオ80%でもかなり苦いのに、100%ということは砂糖はゼロ。沙苗は、その未知の苦味にドキドキしながら口にする。

ところが、これが新しい発見になる。「苦いけど美味しい」。半世紀以上生きてきて、まだ知らない美味しさがあった。その驚きがなんとも微笑ましい。いくつになっても、初めての味に出会える。知らないものを前にして少し身構え、それでも試してみた先に、世界が少し広がる瞬間がある。

面白いのは、ちょっともらった栞と晴子も、未知の味に驚くところだ。自分では選ばなかったかもしれないものも、友人と一緒なら試してみたくなる。バレンタインは、甘いものを贈る日であると同時に、相手の好きな世界を少しのぞかせてもらう日でもあるのかもしれない。マダムたちのチョコ交換を見ていると、今度のバレンタインは少し冒険した味を選んでみたくなるのは、きっと私だけではないだろう。

文=アサトーミナミ

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