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若手の有給に口を挟むのが癖になっていた私、部長の指摘で自分の顔が見えた日

  • 2026.8.1
ハウコレ

正しいと信じてきた「我慢」は、若い頃の自分が受けた仕打ちを、後輩へ回していただけだったのかもしれません。夫のシャツの上で、私はそれを認めかけていました。

洗濯かごの前で、私は畳みかけていたタオルをもう一度広げていました。

「若い頃の自分」を、後輩に見せていたのかもしれません

あの日、有給申請書を提出しようとしていたのは、入社3年目の後輩でした。友人の結婚式なのだと、周りが笑いながら聞いているのも耳に入ってきました。

私はキーボードを打つ手を止めて、「有給ねぇ。私が若い頃は、そんな余裕なんてなかったけどね」と、笑いに乗せるつもりで投げました。

彼女が課長のトレイに書類を置いて席へ戻る間、私は正しい先輩をしているつもりでした。

給湯室と朝礼で、2度背中を叩かれた気がした

数日後、私は新人の子と食堂で立ち話をしていました。先輩として言ってあげるつもりで、「今の子は恵まれてるわよね」といつもの調子で笑いました。新人の子が困った顔で笑い返したのを見て、これは通じている、と勝手に思っていました。

しかし翌週の朝礼で、部長は資料も見ずに全員を見渡し、「有給は権利です。理由も気兼ねもいりません」と言い切りました。私だけが名指しされたわけではないのに、机の木目が急に近く見えました。

帰宅した家の、洗濯かごの前で

家に帰って洗濯物を畳んでいる間も、部長の言葉が頭を回っていました。私は本当に、後輩たちのために言っていたのだろうか。若い頃、有給を申請しては先輩たちに睨まれた記憶が、そのまま形を変えて自分の口から出ていただけではないか。気づけば、夫のシャツを畳むのを忘れて、台所のほうを見つめていました。

そして...

そして次の日、私は誰にも小言を挟まないまま、食堂で新人の子と当たり障りのない話をして、自席に着きました。まだ、後輩たちから素直に有給の相談をされる自分にはなれていません。

(40代女性・事務職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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