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ドラマ10“お盆・三夜連続”の再放送「一挙放送きた」「望んでました」スペシャルドラマ直前の嬉しい知らせに歓喜の声

  • 2026.8.13
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ドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』第1話より(C)NHK

病気をきっかけに仕事や夢を失った麦巻さとこ(桜井ユキ)が、団地暮らしや薬膳、人との交流を通して、自分に合った小さな幸せを見つけていくNHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』が、スペシャルドラマ『しあわせは食べて寝て待て〜早春の養生編〜』として帰ってくる。それに先駆け、12日から3夜連続で前シリーズが一挙再放送されている。SNS上でも「一挙放送きた」「望んでました」の声が。再放送であらためて振り返りたいのは、さとこが勤めるデザイン事務所の社長・唐圭一郎(福士誠治)の魅力である。

※以下本文には放送内容が含まれます。

頑張れない自分を、責めない物語

物語の主人公・さとこは、膠原病という病を抱えたことをきっかけに、これまでの働き方やマンション購入、移住という夢を手放さざるを得なくなった。週4日のデザイン事務所でのパート勤務、家賃5万円の古い団地での新生活。そこで出会う人々や、体をいたわる薬膳料理を通して、さとこは少しずつ自分の立ち位置を確かめていく。

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ドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』第1話より(C)NHK

描かれる営みは、シンプルだ。無理せず休むこと、適切に食べること、自分の身体のことを知り、ちょうどいいペースを知って守ること。地味だけれど、大切な積み重ね。ときに頑張れない自分を責めずに、丸ごと受け入れてもいいんだと教えてくれる物語だからこそ、いまでも多くの人の心に残っているのだろう。

病気を治すことに努め、“元の自分”に戻ることが正しいことなのか。本作の根底に流れるのは、病気になった自分さえも“らしさ”として解釈し直し、そのうえで病気との距離感を探りながら、自分に合った暮らしを組み立て直していく過程の、その空気感である。

唐さんの優しさが沁みる理由

再放送であらためて注目したいのが、福士誠治演じる唐圭一郎の存在だ。
唐は、さとこがパートとして働く唐デザイン事務所のアートディレクター兼代表。仕事はきっちりとこなす一方、生活面ではどこか抜けた面もあって、後輩たちからいじられることもしばしばだ。数値で説明できないものを簡単には信じない現実主義者で、薬膳にも当初は乗り気ではなかった。

それでも、さとこの体調や働き方には、いつもさりげなく気を配っている。
唐が示す優しさは、非常に地味だ。病気を必要以上に特別扱いせず、かといって無理を求めることもない。心配していても大げさに騒がず、さとこが自分の意思で選べるよう、いくつかの可能性をそっと差し出すのみ。その距離感を、福士は落ち着いた声と自然な佇まいで表現していた。

前シリーズにおいて、さとこが資金面から計画を諦めた際、地域の補助金を利用できる可能性を提案し、コミュニティデザインに関心を持つ後輩へ仕事として手伝うよう促した場面にも、唐らしさが滲んだ。
人と人をつなぎ、実現できる形を一緒に探す。それが唐らしいアプローチの仕方なのだ。福士の落ち着いた声や、力みのない演技もまた、作品全体の安心感を支えている。彼が画面にいるだけで、さとこが無理をせずに働ける場所が確かに存在していると感じられる。

最終回が残した強さと、早春の物語への期待

最終回で描かれた、さとこの変化も思い出される。かつて自分を傷つけた元同僚から、謝りたいと謝罪の意を告げられた場面での対応は、この作品らしい繊細さを物語っていた。
謝られてしまえば、許さなければならない気持ちになる。そうした感覚を大切にしながら、さとこは他人に影響されても、他人に支配されない生き方を選び始める。自分の体調や心を、自分自身で調整していくという考え方が、静かに提示される。

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ドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』第6話より(C)NHK

人に優しくすることと、自分を犠牲にすることは同じではない。誰かの反省を受け止めるために、自分の傷をふたたび開く必要もない。
病気になったから団地で暮らし、薬膳を取り入れたさとこ。けれど、団地や薬膳がすべての人にとって唯一の正解というわけではない。本作が伝えたのは、それぞれが自分の心身に合う暮らしを探していいということだった。

自分の体調を知り、自分で自分を調節する。疲れたら休む。食べられるものを食べる。会いたい人に会い、離れたい人からは距離を置く。その一つひとつが、自分の人生を自分の手に戻す行為なのである。
今回の一挙再放送は、スペシャルドラマへの復習であると同時に、自分自身の生活の速度を見つめ直す時間にもなりそうだ。


NHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』8月12日〜 三夜連続で一挙再放送

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_

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