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“誤解されている”新ドラマ 、スタート直前…!元・日本代表のキャスティング“徹底して”こだわった7年前の日曜劇場

  • 2026.10.4
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大泉洋(C)SANKEI

10月から放送されるテレビドラマ『俺たちの箱根駅伝』が日本テレビの作品だと知っている人は何人くらいいるだろうか。主演の大泉洋も会見で「勝手に(TBSの)日曜劇場だと思っている方が多い」とコメントしていたが、実際、日曜劇場っぽいタイトルだと多くの人が思っているのではないだろうか。

なぜ、そう思うのか。それはおそらく、原作・池井戸潤×主演・大泉洋によるTBS系ドラマ『ノーサイド・ゲーム』が実際に日曜劇場枠で放送されたからだろう。
本作は2019年に放送された、企業のエリート社員とどん底ラグビー部をめぐる作品だ。大泉洋が出世街道を外れ、弱小社会人ラグビー部のジェネラルマネージャーとして再建する姿を泥臭く描いている。

スポーツと企業人という、題材の組み合わせも『俺たちの箱根駅伝』と共通しているこのドラマの魅力を今、改めて振り返ってみたい。

※【ご注意ください】本記事はネタバレを含みます。

元代表選手も参加。迫力満点のラグビーシーン

大手自動車メーカーの本社の経営戦略室で辣腕を振るうエリート社員・君嶋隼人(大泉洋)は、対立する常務・滝川桂一郎(上川隆也)が進める買収計画に反対したことがきっかけで、府中の工場に飛ばされてしまう。

そこで君嶋が任されたのは、社会人ラグビーチーム『アストロズ』のジェネラルマネージャーだった。成績低迷で会社のお荷物扱いされているラグビー部は社長の肝入りだが、巨額の赤字を出しており廃部の噂もささやかれている。合理的な経営判断で君嶋も廃部にすべきと一度は考えたが、自ら背水の陣のつもりでラグビー部の再建に乗り出す。ラグビーについては全くの素人ながら、君嶋はその経営センスと情熱でラグビー部を立て直していく。その物語と並行して、滝川との対立や買収事案の顛末が描かれる。

本作の見どころは、なんといってもラグビーのプレーシーンの迫真性だ。それもそのはず。アストロズのメンバーには全員ラグビー経験者をキャストし、なかには元日本代表もいた。

スポーツ経験のない俳優がプレーを演じる作品も多いが、本作は違う。とことん本物志向で、実際のラグビーに近い迫力を描き出している。
それも単に経験者を集めただけではなく、徹底的に肉体改造も行い、本物のラグビー選手に見劣りしない肉体を披露してくれる。

ここまで徹底してこだわった作りになっているのは、本作の演出を担当した福澤克雄監督も大学時代にラグビーを経験しているから。本作はとにかくそのこだわりによる迫力あるラグビーのプレーに目を見張る。
また、ラグビー素人の君嶋を演じる大泉洋が、しばしば酷い目に遭うシーンがあるのも面白い。ラグビーの練習に巻き込まれるような形で屈強な男たちに混じって奮闘する姿は、さすが大泉洋といった絶妙な面白さを見せてくれる。

社会人スポーツのあり方とは

『ノーサイド・ゲーム』は社会人ラグビーを題材にしているところがポイントだ。プロ野球やJリーグのように、完全にプロの世界ではなく、アマチュアリーグであるが、日本では最高峰のリーグを舞台にしている。アストロズは弱小ゆえに資金難に苦しんでいるため、選手の中にはプロ契約の選手はいない(プロ契約だった外国人選手2人もコスト削減で契約を更新しない)。したがって、選手たちは日中は自動車工場で一般社員として勤務している。

しかし、他の社員からは、練習で職場を抜けてしまうラグビー部員が快く思われていない。眞栄田郷敦演じる新入社員の七尾は、才能はあるのにラグビーを諦めて普通の会社員として生きていこうとしているなど、その厳しい状況も描かれる。その他、企業の広告塔として社会人スポーツはどれだけ貢献できるものなのかといった視点が描かれるのだ。部員たちは一様に、何のためにラグビーをやるのかを自問自答しながら生活しており、それが物語をドラマチックにしている。

そして、そんなスポーツとサラリーマンの世界を掛け合わせているのが池井戸潤らしい。スポーツチーム運営にもビジネスの視点が必要であり、だからこそ、ラグビー素人の君嶋でも貢献できることがあると描いている。
そして、スポーツの精神性がビジネスにおいても重要な局面があり、数字の合理性だけでは片づけられない奥深いものなのだと伝えているのだ。

このあたりは、『俺たちの箱根駅伝』にも期待したいポイントだ。これから始まる新ドラマの予習も兼ねて『ノーサイド・ゲーム』を見ておくのも悪くないだろう。スポーツに懸ける男たちの熱いドラマを見たい人におすすめしたい一作だ。


出典:日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』TBS公式サイトより

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi

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