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帰省のついでに草刈りをしたら…元注文住宅営業マンが「2枚撮っておいて」と言うワケ

  • 2026.8.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

夏のあいだに伸びた草を、帰省のついでに刈ったことはありますか?草刈り中に、敷地のへりで地面から顔を出している小さな杭やプレートに気づいたことはないでしょうか。

あれが何の印なのか、親に聞いたことのある方は多くないかもしれません。

土地のことは親が分かっている――そう思って、聞かないまま年が過ぎていきます。けれど、その「分かっている」は一代かぎりかもしれません。

今のうちにやっておきたいことは、「小さな杭やプレート」を寄りと引きの2枚で撮影しておくこと。それだけです。

「境界はどこまでですか」に、答えられなかったご夫婦

営業時代、建て替えの相談を受けて敷地を見に行ったときの話です。

終の住処(ついのすみか)を建てたいという50代のご夫婦に「境界はどこまでですか」とうかがうと、返ってきたのは「分からない」というお答えでした。

お客さまと私たち数名で敷地の周辺を手分けして探しましたが、それらしい印は見つかりません。結局、お隣にも立ち会ってもらい、境界を確認していくことになりました。

家の図面は大切に保管されているのに、土地の輪郭は代替わりで曖昧になる――そういうケースを、私は何度か見てきました。

このときは確認がスムーズに進みましたが、いつもそうとはかぎりません。折り合いがつかず、建築の予定が後ろにずれることもあります。

境界標は「あれば安心」とはかぎらない

法務省は、土地の境界を明確にするには境界標の設置がもっともよい方法だと説明しています。境界標とは、土地の角や、境界が折れ曲がる場所に据えられた印のことです。

一方で、あれば安心とも言い切れません。

日本土地家屋調査士会連合会は、境界標が土砂で埋まったり工事でなくなったりすることがあるとして、日ごろの管理を呼びかけています。

どうしても見つからない場合は、建て替えたり売却したりする際、境界を確定させるところから始めることになります。

境界が曖昧なまま代が替わると、当時を知る人が両家からいなくなり、確認が難しくなります。

だからこそ、位置を知っている人が健在のうちに記録しておく意味があります。

草を刈った直後が、いちばん見えやすいとき

草を刈った直後は、地面がよく見えます。敷地の角と、境界が折れ曲がっているところを、親と一緒にゆっくり歩いてみてください。暑い時間帯は避けて、日が傾いてからでもかまいません。

境界標を見つけたら、写真を2枚撮影しておきましょう。

  • 1枚目:印そのものに寄って撮影
  • 2枚目:自分の家の塀や建物、電柱が写り込む引きの構図で撮影

寄りだけでは、あとで「どこの印か」が分からなくなることがあります。

2枚の写真は、あくまで位置を思い出すための手がかりです。境界そのものを決めるものではありませんが、次に調べるときの出発点になります。

やらないほうがいいことも、3つあげておきましょう。

  • 隣の敷地に入らない
  • 見つけた境界標を動かさない
  • 埋まっていそうでも、その場で掘り出そうとしない

日本土地家屋調査士会連合会も、境界標の付近を掘るときはお隣へ一声かけて確認するよう案内しています。

境界標を壊したり動かしたりして、土地の境界が分からないようにする行為には、刑法に罰則の定めがあります。

図面のありかも、あわせて聞いておく

土地の図面がどこにあるかも、この機会に聞いておきましょう。手元になくても、法務局で地積測量図を確認できる場合があります(手数料がかかります)。

ただし、すべての土地に地積測量図があるとはかぎりません。

なければ、費用はかかりますが、土地家屋調査士に相談する方法があります。

測量したうえで、地積測量図を提出する「表示に関する登記」(土地の位置や広さを公示する登記)まで進めれば、その図面が法務局に残ります。

必要な手続きは土地の状況によって変わり、進められるのは所有者本人です。実家の土地が誰の名義になっているかも、あわせて確認しておきましょう。

図面が法務局に残れば、次の世代は境界標を探すところから始めずに済みます。隣家との確認も、話が早くなるはずです。

草を刈り終えたあと、境界標を探してみよう

記録がないまま時間が過ぎると、建て替えや売却、相続のときに、境界の確認から始めることになりかねません。代が替わるほど、その難易度は上がりがちです。

草を刈り終えたあと、もう5分だけがんばってみてください。スマートフォンを持って敷地のへりまで行き、境界標があるかどうかを確かめて、あれば2枚撮っておきましょう。

それが、次の世代へ渡せる記録になります。

参考:
土地の境界トラブル防止(法務省)
相談Q&A(日本土地家屋調査士会連合会)
土地・建物の地図・図面など(法務省 盛岡地方法務局)
不動産登記について(日本土地家屋調査士会連合会)


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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