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「裏目に出ました」お盆に実家78歳母の手すり工事も…13万5,000円を受け損ねてしまったワケ

  • 2026.8.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。久しぶりに実家へ帰省すると、親のちょっとした動作に年齢を感じる場面があります。

住み慣れた家でも、思わぬ段差で転倒する危険があり、手すりの設置を考える方もいるのではないでしょうか。今回は親を心配して急いで手すりを設置した結果、利用できたはずの介護保険の給付が、受けられなくなってしまった事例を紹介します。

親の転倒を防ぎたい一心で急いだ手すり工事

Eさん(50代・会社員)は、今年のお盆に一人暮らしの母(78歳)の家へ帰省しました。母は要支援1の認定を受けており、地域包括支援センターの担当者と定期的に顔を合わせています。

しかしこれまで、住まいの改修について相談した経験はありませんでした。そんな状況での滞在中、母が廊下でよろけて壁に手をつく場面を目にします。暑さで体力が落ちる季節に怪我をさせたくないと考え、手すりの取り付けを急ぐことにしました。

工事を夏の間に終わらせたかったEさんは、滞在中に地元のリフォーム店へ直接発注します。廊下と階段への手すり設置を依頼し、工事費用は15万円でした。

自宅へ戻った後、住宅改修は介護保険を使えば自己負担が1割から3割で済むと耳にします。Eさんは費用の支給を受けようと、市役所へ電話で問い合わせました。

市役所への問い合わせで知った事前申請の原則

「申請は、工事の前にしていただく必要があるんです」

電話口の担当者は、そう説明します。介護保険による住宅改修費の給付は上限が20万円と定められており、着工前に自治体へ申請して確認を受ける手順が原則です。

退院が迫っているなど、やむを得ない事情があれば、工事後の申請が認められる場合もありますが、今回は対象になりませんでした。1割負担なら1万5,000円で済んだ工事に、15万円を支払う形となり、13万5,000円の給付を受け損ねてしまったのです。

介護保険を利用した住宅改修の申請には、工事が必要な理由を記した書類の提出も求められます。要支援認定を受けている母の場合、手続きの窓口は地域包括支援センターでした。

事前に担当者へ電話を1本かけていれば、正しい手順の案内を受けられていたのです。

「良かれと思って急いだのが裏目に出ました」

そう振り返るEさんは、残っていた浴室とトイレの手すり設置について、9月の連休の帰省に合わせて、申請を済ませてから工事する段取りへ変更しました。

帰省時の実家改修で損をしないための注意点

親の住まいに手すりなどを取り付ける際は、発注の前に親を担当する地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談しましょう。専門家が生活状況を確認した上で、適切な改修内容を提案してくれます。

介護保険の給付は工事前の申請が原則で、審査などの手続きに日数も必要です。帰省の期間中に行う作業は採寸や見積もりの確認にとどめ、実際の工事は申請の確認が完了した後の日程で組みましょう。

なお、工事の後の正式な申請では、領収書や施工後の写真なども求められます。見積もりの段階で、業者にもあらかじめ伝えておきましょう。

参考:介護保険における住宅改修(厚生労働省)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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