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4年もの間、娘がいじめられていることを隠し続けていた…衝撃の現実と向き合った家族が親子で希望を取り戻すまでの物語【書評】

  • 2026.7.28

【漫画】本編を読む

『家族全員でいじめと戦うということ。』(さやけん/KADOKAWA)は、4年間いじめを受けていたことを隠し続けてきた娘と、その事実を知った親の姿を描いたコミックエッセイである。いじめを受けた子どもの苦しさだけではなく、「子どもを守る」とはどういうことなのかを問いかける作品だ。

主人公は二児の母・ナツミ。ある日、息子から「お姉ちゃん、学校でいじめられてるんだって」と信じがたいことを聞かされる。その言葉をきっかけに娘・ハルコの日々の態度を見つめ直すと、これまで見過ごしてしまっていた違和感のひとつひとつがつながっていく。さらに明らかになったのは、ハルコが4年もの間、家では笑顔を見せながらひとりでいじめに耐え続けていたということだった。

いじめられていることを親に気づかれないよう、4年間笑顔を作り続けてきたハルコのことはもちろんのこと、「なぜ気づけなかったのか」という自責の念に押しつぶされそうになるナツミの心中を思うと胸が苦しくなる。娘を守ってやれなかった後悔、いじめを認めようとしない担任と学校への不信感……。ナツミは行き場のない気持ちに苦しみながらも、家族全員でハルコを支える道を選んでいく。その姿から「いじめは子どもだけで抱える問題ではない」という強いメッセージが伝わってくる。

また、本作のいじめは、加害者と被害者という単純な善悪で描かれていない。当事者間の思いやクラスの空気、傍観者の存在や大人の杜撰すぎる対応などが複雑に絡み合い、子どもが背負うには重すぎる問題としてハルコにのしかかる。「本当の加害者は誰なのか」という疑問が、読み進めるほどに増していく。

「子どものケンカに親が口を挟むな」と言われることがある。しかし、当然ながらケンカといじめとは全く違う問題だ。本作は子どもを守り育てるすべての大人たちに向け、もし自分の子どもがいじめの当事者だったらあなたはどうするべきかを問いかけてくる。

文=時任邪武郎

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