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「別に今すぐ行く必要はないですよね」ドアの前に置かれた謎の黒い塊→心配で電話をした管理会社の対応に絶句

  • 2026.7.28

廊下にひとつだけ増えていた、黒い塊

その日、買い物袋を提げて自分の部屋の階に戻ると、玄関ドアの真ん前に、これまでなかったものが置かれていた。

黒くて硬そうな、プラスチックのような塊。大きさは片手に収まるほどだが、用途も中身も見当がつかない形をしている。

近づくのもためらわれて、私はしばらくその場に立ち尽くした。

まさか自分の勘違いかと、廊下をぐるりと歩いてみた。けれど、ほかの部屋の前には何もない。上の階も下の階も、いつもの何もない廊下のまま。

置かれているのは、まぎれもなくうちのドアの前だけだった。誰かがわざわざ、この部屋を選んで置いていったとしか思えない。そう考えた瞬間、背筋がひやりとした。

とても部屋に入る気になれず、その場で管理会社に電話をかけた。ドアの前に正体のわからない黒い塊がある、気味が悪いのですぐ確認してほしい。

そう訴えた私に、担当者から返ってきたのは、およそ予想もしない一言だった。

「別に今すぐ行く必要はないですよね」

言葉を失ったまま、暮れていった夜

なぜ見てもいない担当者に言い切れるのか。私はとっさに言葉を失った。

中身がわからないからこそ怖いのだと伝えても、担当者は「気にしすぎですよ」と取り合わない。まるで、面倒な連絡を早く切り上げたいとでもいうような、乾いた声だった。

それでも食い下がって、せめて今日中に誰か見に来られないかと頼んだ。

返ってきたのは「担当が明日回りますので」という決まり文句だけ。廊下の防犯カメラのことを尋ねても、確認しておきますと言うばかりで、いつ、という約束は最後までなかった。

住んでいる人間の不安より、明日の予定のほうが優先されているのが、電話越しにも伝わってきた。

その晩は、ドアの内側にいても心が休まらなかった。あの黒い塊が、今も同じ場所にあると思うと、玄関のほうへ目が向いてしまう。

誰かの意図なのか、単なる置き忘れなのか、確かめるすべもないまま時間だけが過ぎていく。翌朝、担当者が来て塊は回収されたが、「何だったかは、こちらでもわかりませんでした」と言われただけ。

危険物ではないと言い切った根拠も、うちの前だけだった理由も、とうとう誰も説明してはくれなかった。腑に落ちない気持ちだけが、今も残っている。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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