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「周囲の空気に飲まれてしまった」子どもにきつく当たってしまった後悔から、作者が中学受験をする親に伝えたいこと【著者インタビュー】

  • 2026.7.28

【漫画】本編を読む

子どものための“伴走者”だったはずが、いつしか母自身が「合格」にとらわれていく……。

とーやあきこさんの『合格にとらわれた私 母親たちの中学受験』(KADOKAWA)は、中学受験を通した母親たちの葛藤を描いた物語。自分がかつて諦めた学校を娘・綾佳に挑戦させることにした真澄。しかし成績が伸び悩み、焦燥感を募らせる。そんな中、ママ友かなえの娘・まりんが下のクラスから綾佳のクラスに上がってくることに。まりんの飛躍を素直に喜べない真澄。それどころかさらに焦り、綾佳にきつく当たるようになってしまう……。一方、2家族と昔から仲が良く成績優秀な優也の母・潤子は、夫が自分の出身校以外を受験するなと息子にプレッシャーをかけることに疑問を感じる。とはいえ、潤子自身も学歴コンプレックスがあり、息子を守りきれないでいた。

数多くの取材を重ねて執筆したという本作。とーやさんに取材の中で見えた昨今の中学受験事情や、自身も経験したという子どもに辛い言葉をかけてしまうときの心境についてなど、話を伺った。

――本作のあとがきには、競争の中にいるお子さんに対して、作中の真澄のような言動をしてしまったというご自身の反省の気持ちも書かれていました。振り返ってみて、なぜそのような言葉をかけてしまったのだと思われますか?

とーやあきこさん(以下、とーや):私の場合は、完全に周囲の空気に飲まれてしまったことが原因でした。当時子どもが勝ち負けのハッキリ出る環境にいて、親たちもそれにとても過敏になっていたんです。それで私もその空気に飲まれてしまいました。もちろんその環境でも自分をしっかり保てる方もいましたが、私には無理でしたね……。「このままではまずい」と気がつき、周囲の親御さんたちと距離を置くようにしました。もしあのままズルズルとその環境にいたらと思うと、少し怖くなります。

――中学受験に限らず、子どもに否定的な言葉や行きすぎた言葉をかけてしまうことはどの親にも起こり得ることだと思います。今まさにそうした悩みを抱えている方に、言葉をかけるとしたらどんな言葉をかけますか?

とーや:きっとご自身でも「こんなことをしていてはいけない」と気がついていると思うんです。ネットなどにも「否定的な言葉は子どもの将来に大きく影響する」と書かれていますし、わかっていらっしゃると思います。私自身もそうでした。そのうえで、今も悩んでいる方に言葉をかけるとしたら、改めて「否定的な言葉をかけても良いことは本当になにひとつないです! 子どもの世界に必要以上に口を出さないで、子どもをそっと見守るのが一番」でしょうか。私自身の後悔も含めて強くお伝えしたいです。

――なるほど。それでも感情を抑えるのが難しい場面はありますよね。

とーや:そうですね。もしご自身の気持ちのコントロールがどうしても難しいのであれば、一度周囲と距離を置いてみることをおすすめしたいです。否定的な言葉の裏には、比べる相手がいる場合がほとんどだと思います。だからこそ他の子と比べる環境から少し離れてほしいなと。自分の子どもだけに目を向けられる環境を意識的に作ることで、事態はだいぶ変わるかと思います。

取材・文=原智香

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