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「文句があるなら実家に帰れよ」臨月の妻を置いて飲み歩いた夫。だが、妻が荷物をまとめて実家に帰った結果

  • 2026.7.28

臨月の妻に放った一言

予定日を目前に控えた、臨月のことだった。

大きなお腹を抱えて、私は毎晩ひとり、夫の帰りを待っていた。

夫は飲み会が大好きで、いくら頼んでも飲みに出ていく。

今度こそはと期待しても、飲みの日になれば、決まって約束は破られた。

その夜も明け方の帰宅で、さすがに私も声を上げた。

「もうすぐ生まれるのに、朝まで飲み歩くのはやめて」

「たかが飲み会だろ。いちいちうるさいな」

「たかがじゃないでしょう。もう予定日が近いのよ」

「産まれてもないのに、大げさなんだよ」

売り言葉に買い言葉で、口論はどんどん激しくなっていく。

そして夫は、面倒くさそうに言い放った。

「文句があるなら実家に帰れよ」

その一言で、私の中の何かが、すとんと切り替わった。

ああ、この人は本気で言っているのだ、と。

本当に荷物をまとめた

「わかった。そうする」

私は寝室へ行き、入院用のバッグに着替えを詰め始めた。母子手帳も、充電器も、忘れずに鞄へ入れる。

夫は、まさか私がここまで本気だとは思っていなかったらしい。

「おい、どこ行くんだよ」

「あなたが、帰れって言ったんでしょう」

お腹の子に何かあったとき、頼れない人のそばにはいられない。

荷物を詰める手は、自分でも驚くほど落ち着いていた。私は入院バッグを手に、母の待つ実家へと向かう。

玄関を出るまで、夫は、腕を組んだまま見送りもしなかった。

1時間で50件の着信

実家に着いて、ソファでひと息ついた頃だった。

家を出てから、まだ1時間ほどしか経っていない。

夫からの着信が、堰を切ったように鳴り出した。

ものの数十分で、不在着信は50件を超えていた。メッセージの通知も、途切れることなく積み上がっていく。

強気だったはずの文面は、少しずつ縋るような調子に変わっていた。あれほど偉そうに帰れと言った口で、今は帰ってきてと繰り返している。私はスマホをそっと裏返して、テーブルに置いた。

「早く帰ってきてくれ。頼むから」

画面を覗き込んだ母が、静かに笑った。

「いなくなって初めて慌てるなんて、現金な人ねえ」

翌朝、夫は顔面蒼白で実家に駆け込んできた。ひと晩で頬がこけて見えるほど、憔悴しきっている。

「もう二度と、朝帰りなんてしない。だから、帰ってきてくれ」

「帰れって言ったのは、あなたなのにね」

私が静かに告げると、夫はぐっと言葉を詰まらせ、その場で凍りついた。追い出したつもりが、追い詰められていたのは自分のほうだと、ようやく悟った顔だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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